カール・ベッカー 臨死体験 遺族カウンセリング 輪廻転生


   2000年2月18日 カール・ベッカーのメッセージ

カール・ベッカー先生のことはご存じの方は多くはないと思う。以前、臨死体験について論評した時、彼の著作である「死の体験」を紹介したことがある。故カール・セーガンの著書「Broca’s Brain」で、何故、臨死体験でトンネル体験があるのか、その後に光があるのかなどを出産時の胎児の経験に由来するのではないかの説を紹介し、臨死体験そのものの現実性を否定したが、このセーガンが支持する仮説が間違っていることを論証していたのが印象的だった。また、いわゆる幽霊の存在についての検証もすぐれたものであった。詳しくは、その本を参照して下さい。当直室においてあった雑誌の目次を見ていたら、彼のレポートを発見したので紹介し、コメントする。

「輪廻転生」思想こそが二一世紀の人類を救う

カール・ベッカー(京都大学総合人間学部教授)PRESIDENT 37(2): 102-107, 1999

「これまで私は、末期患者を中心に、「死」をテーマに研究してきました。アメリカでは、末期患者には二種類の病棟が用意されています。一方は遺族カウンセリングを全くしない病棟、他方は宗教的な遺族カウンセリングをする病棟です」

コメント:家族カウンセリングがない病棟もあるとは、知らなかった。無宗教の家族なのか?

「遺族カウンセリングでは、告知を受けた末期患者が死の宣告を受ける二、三カ月前から、患者を中心にして医者・看護婦チームと家族を集めて、ティパーテーを開くのです。場合によっては、お酒を出して、皆で語らいます。これは、インフォームド・コンセントのように医者が中心に話す場ではありません。あくまで患者を中心に、死について、人生について、あの世について、お互いに話したいことを何でも話すのです。これを本人が亡くなるまで、二、三回繰り返し行い、本人がなくなると、遺影を中心にしてまた同じように三、四回行います」

コメント:お酒も飲んで気分をよくして、少し抑制をはずして話し合うのか。知らないことばかりだ。あの世についても話しあうのか。しかも、患者が亡くなってからも、カウンセリングをやっている。日本では、どうなっているのだろうか?ホスピスが最近、各地域でオープンしているが、精神科医が必ず関与しているそうだ。脳死後、臓器提供者の家族の心理的フォローアップも必要だと思う。後で後悔する家族もいるらしい。

「カウンセリングを受けた遺族は、そのあと、世間一般と変わらない生活を送るのですが、カウンセリングを受けなかった遺族には、患者が亡くなってから一、二年のうちに、精神異常や突然死、事故、自殺未遂など、立て続けに不幸が襲うのです。昔、日本ではこれを”祟り”と呼んだのでしょう」

コメント:へえ、そんなことがあるのですか、驚きました。祟りですか?どういうふうに解釈したらいいのですか?亡くなった患者を大切にしてこなかった自省心が、高じて、精神異常をもたらしたのか、それとも、本当に祟りですかね??

「霊魂があるのかないかは別として、明らかのことは、他界した方との関係を上手に持っていけば、遺族は健康的でいられるのです」

コメント:僕の先輩で、くも膜下出血で亡くなったM教授がいるが、亡くなる1年前に、東京で研究会が会った時、たまたま同じホテルにとまり、夕食を一緒にしたことがある。その時の話題として、死んだら人間の魂はどうなるのかという話をしていたが、彼は、難しい質問だねと言われた。その時、もし先生が死ぬようなことがあったら、何か合図でもしてもらうといいかもしれませんかと、不謹慎なことを言ってしまった。その1年後に亡くなられたが、葬儀に出席した時、1年前のことを思い出し、何か起こるのではないかと期待した。すると、昼間ではあったが、急に寺の鶏がコケコッコウと鳴きはじめた。何度もやかましく鳴き、その鳴きかたが、M先生にそっくりであった。彼は時々、急に突拍子もなく雄叫びをあげるのが特徴であった。僕は思わず隣にいた同僚に今の鶏の鳴き方はまるでM先生にそっくりだなといったら、その同僚も同じことを思っていたと同意した。しかし、偶然の可能性があるので少し様子をみていた。M先生の教え子が遺体と対面し始めたらピタッと、鶏の鳴き声がやんだ。それで僕は確信した。M先生は僕との約束を守ってくれたと有り難く思い合掌し、ご冥福を祈った。

「しかし考えてみれば、日本では伝統的に、そのような遺族カウンセリングを行っていました。お坊さんは、袈裟を着てお経を唱えるばかりでなく、遺族の悩み、悔やみを聞き、初七日、四十九日、一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌と、上手に遺族カウンセリングを行ってきたのです。そのたびにお坊さんの説法を聞いて、皆で亡くなった人を思い出して話をします。こうした日本の伝統的儀式は、生きるための智恵でした」

コメント:でも、お坊さんの唱えるお経で分かるのは、せいぜい般若心経位で、早く終わらないかなと思ってしまう。足がしびれてきて、お尻を少し浮かしたりしていることが多いし、眠くなることが多い。宗派によって違うのだろうけど、お経の意味はよく分からない。

「しかし、それが戦後から最近にかけて、医者は延命治療を主とした病院で患者に不自然な死に方を強い、お坊さんは”葬式仏教化”し、その裏にあった福祉的な側面がなくなってしまいました」

コメント:葬式仏教。その通りだ。だから、新仏教や新新仏教や、あやしげな宗教が出現する社会的背景がある。

「西洋の宗教的世界観よりも、日本の伝統的世界観のほうが二一世紀にあっている(西洋のそれは、終末思想にあり)。仏教的に考えれば、何もかも循環していることがわかります。人間であろうと木であろうと、形が絶えず変わって存在していきます。無常であり、輪廻転生です。建築材を捨てて燃やせば、さまざまな元素が空気中にばらまかれるだけで、消えることはありません。因果応報の影響が、消えることなく地球に及ばされます。地球の環境問題や人口問題、また限られた資源の活用法を考えるうえでは、仏教的発想のほうが好ましいではないかと思うのです」

コメント:1999年、ノストラダムスの大預言も西洋的終末観の最たるものである。

「視点を変えますと、ユダヤ教・キリスト教には、仏教的自然崇拝に反して、自然支配の考え方があります。旧約聖書『創世記』では、人間が諸動植物の支配者の位置に置かれています。人間が自然を治め、より多くの子孫を残すよう神が指示したとあります」

「地球を一つの”島”と考えてみます。二一世紀は、この”島”にどれほどの人口が、どれほどの文明で、平和な社会を築けるかが、課題になってきます」

「日本人が身につけた智恵を見つけるには。三つの方法があります。 一つは、江戸時代の思想家の智恵を借りることです。(中略)二番目としては、日本人の礼儀作法にたくさんの意義深い側面が窺えます。(中略) 三番目に挙げておきたいのは、日本の現代史、とりわけ二十世紀の歴史の成功例と失敗例を振り返ってみてほしいということです。戦争を繰り返さないというだけでなく、公害問題とか、環境問題などを反省して、自分たちが誇りに思えることと、繰り返したくないことを分けてみる。それによって将来の方向が見えてきます」

コメント:外国人のはずなのに、僕以上に日本のことをご存じであることには敬服いたしました。

「二一世紀の世界は、自然支配から、自然尊重、個人主義から相互依存、競争社会から協調社会、科学万能主義から”有機”全体の健康を考える方向へと進んでいきます。であるからこそ、無常や縁起、因果応報といった仏教の教えや、日本の伝統的世界観を大事にしていかなければなりません。無常であるからこそ、一期一会を大切にし、一瞬一瞬を疎かにすべきではないのです。日本人は、後世によりよい世界を残すために伝統的価値観をもう一度思い返してほしい。そうすれば、世界の進むべき道や生きる智恵が見いだせるはずです」

コメント:ベッカー先生、貴重なお教えを大変ありがとうございました。日本人としての誇りを自覚しました。また、今後とも精進して、二一世紀の世界を良くする方向に、微力ながら努力を続けていきたいと思います。皆様もどうでしょうか?各自、このメッセージを素直に受け取って下さい。

http://www.rinri.or.jp/research_support03.htm

http://ensim.onsenlink.net/~admin14/kaarubeka.htm

http://www8.ocn.ne.jp/~camcam/camtop/digest05.htm

http://www8.ocn.ne.jp/~camcam/camtop/digest10.htm

http://www.sol.dti.ne.jp/~sam/realaim/NO3_3.html

PS:先日の朝のNHKニュースで村上和雄先生の研究が紹介されていた。笑いが遺伝子を変化させるとの研究発表だった。

http://www8.ocn.ne.jp/~camcam/camtop/digest15.htm

http://blog.with2.net/link.php/36571

 

 

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