急性アルコール中毒


                

            急性アルコール中毒    

 春になると、大学でクラブの新入生歓迎コンパが行われる。一気飲みによる死亡事件が出て、その試みをさせることは犯罪であるとされたため、その試みは少なくなってきたようだが、急性アルコール中毒により、学生が救急部に運ばれてくることはまれではない。

  僕は大学の卒業式の後の飲み会で、にがい経験があった。一次会は、パブリックバーに行って、ウイスキーの水割りやジンフィズを飲み、いい気分になって酔っぱらってしまった。二次会にはその当時、地元のラジオとかテレビで出演していて有名だった女占い師が経営する、同名のバーに5〜6人で入った。カウンターで、ビールを飲み、その女占い師と話をしていて、なにかの拍子で、「あんた、頭悪いね!」と言われてしまった。僕は急に気分が悪くなり、吐きそうになり、トイレにかけ込んだ。トイレで吐いて、その後、吐物を流したが、友達が心配して来てくれたが、どうも僕はその時の記憶がはっきりしていなかった。

「おい、トイレにたまっている水を飲んでいたぞ!」と言われてしまった。

「ええ? 信じられない。本当か? 記憶にないぞ!」

 僕は女占い師の顔を見るのがいやで、すぐに退散したが、下宿に帰る途中のタクシーの中でも、吐いてしまった。とんでもない卒業式の一日であった。それ以後はあまり、チャンポンをしないこと、限度をわきまえて、ゆっくり飲むこと、何かを食べながら、楽しい雰囲気で飲むことなどを心がけている。

         アルコール摂取による症状

1)軽い酩酊:血中濃度 1mg/mlまで

  前頭葉皮質の機能低下にもとづく脱抑制が生じる。軽い興奮状態になり、陽気になり、多弁となり、多幸感、自制心の欠如が見られ、変則的な挙動が見られる。呼吸数、脈拍数の増加、皮膚血管の拡張による紅潮が見られる。この範囲の酩酊状態を持続すれば、気分は最高潮だが、現実にはさらに飲み続けてしまい、次の段階に移行してしまう。

2)強い酩酊:血中濃度 1-2mg/ml

 小脳機能抑制により、発語が不明瞭となり、歩行は不安定になり、四肢の協調運動障害が出現する。大脳辺縁系皮質の機能抑制により、情緒は不安定になり、短期間の記憶力低下が出現する。

3)急性アルコール中毒:血中濃度 2-3mg/ml

 嘔吐がしばしばみられ、著しい運動失調により立位保持や座位保持が困難となる。また、ある長さを持った記憶の抜け落ちが見られる。

僕が経験した卒業式での酩酊状態の程度は、強い酩酊~急性アルコール中毒の範囲であったわけだ。 

4)高度中毒:血中濃度 3-3.5mg/ml

 すべての感覚に対する反応はほとんど失われる。自発運動もなく昏睡状態となる。低体温、呼吸数低下が見られ、心拍数は増加し、皮膚は冷湿化し、瞳孔は散大する。呼吸筋麻痺で死亡することが多いが、死亡者の平均血中濃度は 4mg/dl前後である。

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神経内科専門医 neurologist
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