産婦人科医師の逮捕は間違い


       産婦人科医師の逮捕は間違い 

 NHK大河ドラマ「功名が辻」第7話では、新右衛門(前田吟)の妻、ふね(熊谷真実)が流産し、急死した。このドラマが放映された前日に、福島県の産婦人科医が業務上過失致死と医師法(異状死体の届け出義務)違反容疑で逮捕された。下記がその続報であるが、産婦人科医の逮捕は間違っていると思う。医師専用掲示板には、この医師の逮捕に抗議する投書が続出している。癒着胎盤の診断は帝王切開前に予測するのは困難であること、癒着胎盤の処置には、大出血に対して大量輸血が必要、どのような対応をとっても、生命予後が悪い、一人産婦人科医では対応が困難なことなどが、専門家から指摘されている。

このようなことで、医師が逮捕されるようになると、ますます産婦人科を志望する医学生が減少することは必定である。 

 病院長は配下の医師を守る義務があるのに、民事訴訟はしかたがないとしても、逮捕に関しては抗議すべきであった。

「癒着胎盤での帝王切開は未経験…逮捕の産婦人科医

 福島県大熊町の県立大野病院の産婦人科医師加藤克彦容疑者(38)が業務上過失致死と医師法(異状死体の届け出義務)違反容疑で逮捕された事件で、加藤容疑者が数多くの出産に立ち会っていたものの、今回死亡した被害者のように、子宮と胎盤が癒着している状態での帝王切開手術の経験はなかったことがわかった。

 

 県病院局によると、加藤容疑者は、医師免許を取得して9年目の中堅医師で、2004年4月に同病院に赴任後、唯一の産婦人科医として年間200回の出産に立ち会っていた。

 しかし、「癒着胎盤」の状態で帝王切開が行われたのは03、04年度、産婦人科がある4つの県立病院で今回のケースが唯一で、加藤容疑者も経験がなかったという。

 県は昨年1月、専門医らで作る調査委員会を設置。同3月に、事故の要因を「癒着した胎盤の無理なはく離」「対応する医師の不足」「輸血対応の遅れ」などと結論づけ、遺族に謝罪していた。県は遺族と補償問題について交渉中という。

 会見した秋山時夫・県病院局長は、警察へ届け出なかったことについて、「当時、医療過誤という判断はなかった」と釈明した。

(2006年2月19日0時24分  読売新聞)」

http://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/2006/02/post_1b76.html (ある産婦人科医のひとりごと)

「今回の事例では、誰が執刀していても、母体死亡となっていた可能性が非常に高かったと思われます。帝王切開をしてみたら、たまたま癒着胎盤であったケースで、母体を救命できる可能性があるのは、いつでも大量の輸血が可能で、複数の産婦人科専門医が常勤し、麻酔科医も常駐している病院だけだと思います。そういう人員・設備が整った病院であっても、帝王切開中に突然大量の出血が始まれば、全例で母体を救命できるという保障は全くありません。

今回の事例は、術前診断が非常に困難かつ非常にまれな癒着胎盤という疾患で、誰が執刀しても同じく母体死亡となった可能性が高かったのに、結果として母体死亡となった責任により執刀医が逮捕されたということであれば、今後、同じような条件の病院では、帝王切開を執刀すること自体が一切禁止されたと考えざるを得ません。」

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