国立大学医学部教授の給与の手取りが20万円台


           国立大学医学部教授の給与の手取りが20万円台

去年、ある研究会の帰りに三重大学神経内科の葛原茂樹教授と駅で雑談をしていた。なんと、病院長から、平の教授に戻ったら、給料の手取りが20万円台に減少してしまったとのことで、憤慨されていた。30万円台ぐらいに下がると思っていたのが、生活に窮するほどの低額であった。ご同情申し上げたが、先日、三重大学医学部の同窓会の三医会会報が自宅に届いていた。

「大学病院医師の給与は何故安い?-学則と給与表から読み取る大学附属病院の位置づけと解決策―」という論文が掲載されていた。13ページにもわたる力作である。

表1には、本人の平成17年4月に医学部教授に復帰した時の給与明細、表2は、平成17年3月医学部附属病院長の時の給与明細が名前を隠して、掲載されていた。4月の現金支給額は219,578円(本給支給額585,600円)、3月の現金支給額は602,935円(991,000円)であった。病院長になる前の教授の時は、40万円台だったので、今回の手取りは「想定外」の額であった。控除額の中には積立貯金の5万円と、生命保険料の2万7千円が含まれるので実際の手取りは30万円近くなるが。葛原教授は気づかれていないが、住民税が前年度の所得を基準として控除されるので、手取りが極端に減ったのではなかろうか。

医学部教授は、教育職であり、文学部教授などと同じ給与体系であるため、給与は公的病院勤務医師よりかなり安い。医学部教授は、教育、研究だけでなく、診療もやっているのに、その手当てはない。

先日、東京での日本神経学会総会で、養老孟司先生の講演があった。その中で、東大退官時の給与の手取りが40万円であり、パソコンを買うつもりだったが、同じ価格だったので、馬鹿らしくなって購入しなかったと述べた。また、論文を書くより、文筆業をやっていたほうがもうかると、笑って話していた。

名古屋大学名誉教授である塩野谷恵彦先生の「大学病院無用論」(KKロングセラーズ)は、10年前に出版されたものであるが、その中で、彼が名古屋大学医学部を退職した時(1991年)の手取りが、40万円であったと書いていた。安すぎる。売れっ子の教授は、講演会などの謝礼があり、少しは良いのであろうが、例外的であろう。

なお、葛原教授は、前述した論文で、解決策として、規則と組織の両面で、大学病院を「学校附属の教育実習場」から「近代的医療機関」に変えるべきであると提言し、具体的な対策を提唱している。ただし、今の国立大学法人は、財力がない。国と地方自治体からの公金の投入が必要であるとしている。詳細は、彼の論文を読んでください。

追伸:葛原教授は金澤一郎先生の後任として、最近、日本神経学会の理事長に就任された。

是非、神経内科の社会での認知をさらに高めてほしい。マスコミのかた!彼に取材してください。

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