水素水:パーキンソン病の進行を抑制

去年の秋、名古屋でパーキンソン病研究会が行われたが、当番世話人だったので、最後に水素水の治験とiPS細胞を紹介した。

パーキンソン病治療の今後の展望(私見)

1. 水素水の有用性:酸化ストレスがパーキンソン病の病態機序に関与していることは古くから証明されている。
基礎実験で水素水投与の有効性が証明された(九大、名大)
Fujita K et al. Hydrogen in Drinking Water Reduces Dopaminergic Neuronal Loss in the 1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine Mouse Model of Parkinson’s Disease.
PLoS ONE 4: e7247,2009:
Our results indicated that low concentration of H2 in drinking water can reduce oxidative stress in the brain. Thus, drinking H2-containing water may be useful in daily life to prevent or minimize the risk of life style related oxidative stress and neurodegeneration.
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0007247
九州大学PRESS RELEASE(2009/09/29)
水素を含んだ水の日常飲用が脳神経の変性を防ぐ事を発見 ~パーキンソン病モデルマウスに対する治療・予防効果~
九州大学(福岡県福岡市、総長:有川節夫)の野田百美 准教授(薬学研究院)・中別府 雄作 教授(生体防御医学研究所)とパナソニック電工株式会社(本社:大阪府門真市、取締役社長:畑中浩一)の研究グループは、水素を含んだ水を飲用することが、活性酸素が原因で起こると考えられているパーキンソン病等の脳神経変性疾患の予防と治療に有用である可能性を検証しました。 研究グループが注目したのは、低濃度の水素を含んだ水です。水素を含んだ水を飲ませたマウスと水素を含まない通常の水を飲ませたマウスに、薬物性パーキンソン病の原因となるMPTPを投与し、実験的に脳神経変性疾患を発症させました。水素を含んだ水を飲用させたマウスでは、パーキンソン病で見られる黒質ドパミン神経細胞の脱落が顕著に抑制されました。また脱落の原因とされる活性酸素の生成量、および活性酸素による DNAの酸化損傷も抑制されることが明らかになりました。
これらの検証結果から、活性酸素が原因で起こるパーキンソン病等の脳神経変性疾患の予防と治療に、水素を含んだ水の飲用が有用であり、また低濃度の水素で効果をもたらす可能性を見出しました。水素を含んだ水は電解アルカリ水など、水の電気分解で容易に生成できるため、今後実用に向けた研究の展開が期待されます。
本研究成果は、オンライン科学誌「PLoS ONE」に平成 21 年 9 月 30 日付(米国:太平洋標準時)で掲載され、広く一般公開されます。

Figure 2: The effects of hydrogen in oxidative stress-derived neural apoptosis in dopaminergic cells.Hydrogen (H2) selectively reduces hydroxyl radical (•OH) by direct reaction, and decreased oxidative damage such as mitochondrial/ nuclear 8-oxoG (mt8oxoG/nu8oxoG) accumulation, and 4-hydroxynonenal (4-HNE) production in dopaminergic neurons. Each oxidative damage is involved in different neuronal apoptosis. Abbreviation; MPP+: 1-methyl-4-phenylpyridinium ion, DAT: dopamine transporter, ROS: reactive oxygen species, ATP: adenosine 5′-triphosphate, •OH: hydroxyl radical, •O2 −: superoxide, 4-HNE: 4-hydroxynonenal. Fujita K et al. Therapeutic Effects of Hydrogen in Animal Models of Parkinson’s Disease. Parkinson’s Disease Volume 2011 Article ID 307875, doi: 10.4061/2011/307875

http://www.hindawi.com/journals/pd/2011/307875/

Fu Y et al. Molecular hydrogen is protective against 6-hydroxydopamine-induced nigrostriatal degeneration in a rat model of Parkinson‘s disease.
Neurosci Lett. 2009 ;453:81-5.
We examined effects of approximately 50%-saturated molecular hydrogen in drinking water before or after the stereotactic surgery on 6-hydroxydopamine-induced nigrostrital degeneration in a rat model of Parkinson’s disease. Methamphetamine-induced behavioral analysis showed that molecular hydrogen prevented both the development and progression of the nigrostrital degeneration. Tyrosine hydroxylase staining of the substantia nigra and striatum also demonstrated that pre- and post-treatment with hydrogen prevented the dopaminergic cell loss. Our studies suggest that hydrogen water is likely able to retard the development and progression of Parkinson’s disease.

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0304394009001839
ヒトでの治験:水素水のパーキンソン病患者に対する有効性が報告された!
順天堂越谷病院 頼高朝子ら:
「パーキンソン病患者における水素水の無作為化二重盲検試験」
第6回パーキンソン病・運動障害疾患コングレス 2012年10月
結果:
Total Unified Parkinson’s Disease Rating Scale (UPDRS) scores は偽水群では48週後で、+4.1 の悪化、水素水群で-5.7 と改善が見られ、有意差を認めた。水素水は安全で症状改善効果を認めた。

今年の2月にMovement Disorders の電子版に報告されたが、標準偏差が大きいので、かろうじて有意差を出していた。

Yoritaka A et al. Pilot study of H2 therapy in Parkinson’s disease: A randomized double‐blind placebo‐controlled trial. Article first published online: 11 FEB 2013

DOI: 10.1002/mds.25375

Abstract

Background

Oxidative stress is involved in the progression of Parkinson’s disease (PD). Recent studies have confirmed that molecular hydrogen (H2) functions as a highly effective antioxidant in cultured cells and animal models. Drinking H2-dissolved water (H2-water) reduced oxidative stress and improved Parkinson’s features in model animals.

Methods

In this a placebo-controlled, randomized, double-blind, parallel-group clinical pilot study, the authors assessed the efficacy of H2-water in Japanese patients with levodopa-medicated PD. Participants drank 1,000 mL/day of H2-water or pseudo water for 48 weeks.

Results

Total Unified Parkinson’s Disease Rating Scale (UPDRS) scores in the H2-water group (n=9) improved (median, −1.0; mean±standard deviation, −5.7±8.4), whereas UPDRS scores in the placebo group (n=8) worsened (median, 4.5; mean±standard deviation, 4.1±9.2). Despite the minimal number of patients and the short duration of the trial, the difference was significant (P<0.05).

Conclusions

The results indicated that drinking H2-water was safe and well tolerated, and a significant improvement in total UPDRS scores for patients in the H2-water group was demonstrated

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/mds.25375/full

(中国と共同研究で大規模研究を行う予定だということを、順天堂大学の服部教授が言及されていた)

太田成男教授がこの水素水の効果を世界で初めて報告した。

「水素の効果」の特許が成立しました(2012.10.9)
発明名:生体内の有害な活性酸素及び/又はフリーラジカル除去剤(特許出願2007-531053)
出願人:太田成男(単独)
発明者:太田成男、大澤郁朗
出願日:平成17年8月19日(2005.8.19)
この特許が成立するのに、7年かかりました。今回は、早期審査を申請したので、これでも早く結果がでたほうです。この特許は、2005年に大学のTLO(Technology Licensing Organization[技術移転機関]の略称)から、特許出願してもらおうと申請したのですが、大学の発明委員会では「こういうものは、特許にならない。」という冷たい反応で、あえなく却下!「個人でなら、ご自由に!」との判定結果になったものです。そのため、個人名で特許出願することにしました。当時は、水素が顕著な効果を発揮すると言っても、とても信じられなかったのでしょう。7年前の「特許出願却下」という反応は、私たちの研究成果は当時の常識を覆す結果だったことを意味しています。今でこそ、水素の効果は注目されるようになりましたが、この間の苦労を物語っているエピソードです。

http://shigeo-ohta.com/

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0304416511001103

http://www.hindawi.com/journals/oximed/2012/353152/

http://www.medicalgasresearch.com/content/pdf/2045-9912-3-10.pdf

2.  慶應義塾大学医学部 プレスリリース  2012 年 10 月 10 日
パーキンソン病 iPS 細胞を樹立、その病態メカニズムを再現
―パーキンソン病の病態解明、新薬・早期診断法開発に期待―

岡野教授らの研究グループは、2 人の家族性パーキンソン病患者さんの皮膚の細胞から、人工多能性幹細胞(iPS 細胞)を作成することに成功しました。さらにこれらの iPS 細胞から神経細胞を誘導した結果、パーキンソン病由来の細胞では酸化ストレスが亢進し、エネルギー産生器官であるミトコンドリアに異常があることが確認できました。また、iPS 細胞の由来となった一方の患者さんの死後、脳を解析したところ、αシヌクレインと呼ばれる毒性の高いたんぱく質が蓄積していることを見出しました。同患者さん由来 iPS細胞から作出した神経では、脳の解析と同様にαシヌクレイン蓄積していることを確認しました。本研究では、世界で初めて実際のパーキンソン病患者さんの脳内で起きている現象を、同じ患者さん由来 iPS 細胞を用いて正確に再現しました。
Imaizumi Y et al. Mitochondrial dysfunction associated with increased oxidative stress and alpha-synuclein accumulation in PARK2 iPSC-derived neurons and postmortem
brain tissue. Molecular Brain 2012, 5:35
http://www.molecularbrain.com/content/pdf/1756-6606-5-35.pdf

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marugametorao について

神経内科専門医 neurologist
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