危うし!小保方Nature論文の信憑性!日本の専門家なども問題点を指摘!

危うし!小保方Nature論文の信憑性!日本の専門家なども問題点を指摘!

小保方さんのNature論文の全文が公開された(通常はabstractしか閲覧できない)。多くの写真があり、動画もあり、一見してすごい論文であることがわかる。しかし、後で引用するコメントで、肝心な部分(図1-iのレーン3)の画像が画像処理後にはめこまれた可能性があると指摘されたのだ。よく見るとそのように見える。また、別の写真での画像の使い回しは事実であることは確定的である。共同研究者の若山教授のところでは実験が再現できないと述べられている。僕がアメリカ留学中に、labo technicianから脳細胞の培養のこつを教えてもらった。その時、ガラスピペットの操作やピペットの口径などについて教えてもらった。再現できないとすれば、この操作がキーなのかもしれないが?
しかし、小保方さん本人の釈明がないので、残念ながら、世紀に発見は虚偽である可能性が高くなった。

Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency
http://www.nature.com/nature/journal/v505/n7485/full/nature12968.html
Bidirectional developmental potential in reprogrammed cells with acquired pluripotency
http://www.nature.com/nature/journal/v505/n7485/full/nature12969.html

2014-02-19難波紘二 広島大学名誉教授のメールマガジン
【切り貼り?】
 「ネイチャー」1/30/2014論文1では、生後1ヶ月のマウス脾臓から取り出したT細胞リンパ球に「PH5.7, 30分」という刺激を与えると先祖返りが起こり、体細胞にも胎盤の細胞にも分化できる「STAP幹細胞」が作成できると主張している。
 分化した細胞が「再プログラミング」により幹細胞になる、という証拠として提出されているのが、同論文の図1-iの写真だ。

(図1-i)リンク先を参照してください

 レーン3に「陽性対照」として培養前のT細胞リンパ球のDNA構成が示されている。白く階段状の帯として見えるのが長さの違うDNAの断片である。これは免疫遺伝子が「再構成」を起こしている証拠で、分化した細胞(幹細胞でないこと)の証拠となる。
 レーン4と5は、培養を終えて出て来たSTAP細胞のDNA構成を示しており、実験群である。ところがふたつのレーンとも陽性コントロールのレーン3と同じバンドが見られ、やはりT細胞受容体遺伝子の再構成が認められる。
 これだと、この細胞を幹細胞として使った場合、この細胞がいろいろな種類の体細胞を作るにはいっこうに差し支えないが、それが免疫担当細胞に分化した時、B細胞は免疫遺伝子の再構成が起こせるが、T細胞はもう受容体遺伝子を再構成してしまっているので、遺伝子多様性が生み出せず、重症複合型免疫不全((SCID)という特殊な免疫不全を生じるのではないか、というが私の疑問だった。
<一旦免疫遺伝子を再構成した細胞は、幹細胞になってもその遺伝子を引き継ぐので、もう余分な胚型TCR遺伝子がないはずだ。そうするとこの細胞から作ったクローンマウスは「重症複合免疫不全症(SCID)」を発症するはずだが、そのへんはどうなっているのか。>
 これはメルマガ2/3号に書いたことだ。
 ネット上でいくつかの画像に疑問が呈せられていた。このネイチャー論文は画像が多く、しかも小さいので非常に見にくい。ネット上にアップされた問題画像を見ていて、図1-iがやはり問題にされているのを知った。

図1-i:リンク先を参照してください

 左が論文に掲載されている写真。大きさは35ミリ四角ほどで、きわめて小さい。
 右はそれをデジタル化(あるいは電子版写真をそのまま使用)して、全体の輝度を上げたもの。(誰がやったのか不明。従って悪意の画像操作である可能性も否定できない。)
 右図レーン3の両脇に隣のレーンとの境界が認められるが、レーン3は背景が黒いのに対して、両脇のレーンは白っぽく、境目がシャープな直線を呈している。しかし、これは左図ではよくわからない。
 おどろいて「ネイチャー電子版」論文の付図を拡大して調べてみると、確かにレーン2とレーン4の「胚細胞型」バンド(図の白く太い帯)の位置に、やはり黒い直線が認められる。つまりネット投稿者の悪意によるものではなく、論文のオリジナル画像が操作されたものである可能性が高い。
 用いられた「サザンブロット法」というDNAの電気泳動では、5つのレーンの起点(上端)にDNAサンプルを置き、ヨーイドンで同時に流すから、こういう縦線は出ないのが普通だ。レーン3はPHOTOSHOPか何か、画像処理ソフトを使って後からはめ込まれた可能性がつよい。
 レーン3の写真は、「完全に分化しきったT細胞リンパ球が先祖返りしてSTAP細胞になる」という主張を支持する証拠として必要とされたもの。つまりもともとサンプルに含まれていた少数の未分化幹細胞(T細胞遺伝子の再構成がない)が増殖したものではない、ことを示すためにあった。
 しかし、遺伝子再構成したままで幹細胞になるとすると、胚盤胞に注入してキメラマウスを作った場合に、胎児中の細胞に再構成した同一の遺伝子があることを示す必要がある。が、そのサザンブロット写真は出されていないし、そのようなマウスが正常に育つかどうかも述べられていない。(遺伝子再構成は不可逆的過程であり、これを人工的に逆転することができたら、間違いなくノーベル賞が与えられるだろう。)
 つまり、著者らは免疫病理学を知らず、T細胞遺伝子再構成を単なる便利な指標としてしか考えていないから、こういうへまを犯したのだと思う。
 2/17日経は<関係者によると、不自然との指摘を受けているのは、マウスの胎児の写真。共同研究者の一人は取材に対し、数百枚の画像データを取り扱っている際に混同して記述と異なる画像を載せた可能性があるとしている。>と報じている。
 そうすると関係者の中には、「画像の不審点」を認めた人もいるということになる。
 さあ、これからどう展開して行くのか…
 「産経」のSTAP細胞疑惑報道で、わからないのは「毎日」が理研の調査開始を報じた後、2/17朝になって若山教授のインタビューを載せていることだ。
 http://sankei.jp.msn.com/science/news/140217/scn14021708100002-n1.htm
 この人は純真な人で、共著論文に疑惑が向けられているとは露知らないでしゃべっている。同紙はこれからどういうスタンスで報道を続けるのであろうか?
2014-02-19
【急展開】
これを書いた2/17夜以降、事態の急展開があった。
 小保方の一連の論文に最初に疑念を呈したのは、米国の「PubPeer」(公衆による論文審査)というブログだ。2011年の小保方論文の画像不正疑惑を2/13に提起している。 
 https://pubpeer.com/publications/20883115
 これとは別に米カリフォルニア大学デーヴィス校のクノッフラー教授が、小保方報告の「再現実験」を呼びかけ、2/17までに9件の報告があった。(すべてネガティブ)
 http://www.ipscell.com/stap-new-data/
 「ネイチャー」1/29付号に小保方論文が発表されて1週間後、上記「PubPeer」に書き込みがあり、「図1-i」レーン3の写真は「はめ込み」ではないかという指摘があった。
 2/13に同じくPubPeerに論文2の胎盤の写真2枚は、回転させてあるだけで同一のものではないか、という指摘があった。
 アメリカの科学雑誌「サイエンス」がこれを知り、編集部が理研広報部に問い合わせのメールを送った。理研広報部はこの質問に詳細に答える代わりに、2/13~2/14と2日間、小保方の聴き取り調査を行い、この動きを2/15「毎日」須田桃子記者がスクープしたらしい。
 この経緯は「サイエンス」2/17号が詳しく報じている。記事名は「注目の幹細胞論文、炎上中」。
 http://news.sciencemag.org/health/2014/02/high-profile-stem-cell-papers-under-fire
 2/17付「NATURE」電子版が、(2/30「ネイチャー」電子版に、STAP細胞の論文2本が掲載された時に解説記事を書いた)デヴィッド・シラノスキー記者による「<酸性浴>による幹細胞研究、捜査中」という記事を掲載した。
 http://www.nature.com/news/acid-bath-stem-cell-study-under-investigation-1.14738
 これには、
1) 外部からデータに不自然な点があるという指摘を受けて理化学研究所が調査を開始した。
2) NATURE誌が世界の幹細胞研究のトップにいる10人にアンケートを行ったところ、追試で確認できたという研究者はゼロだった。
3) 指摘されている画像の不審点などについて、NATURE誌が小保方に問い合わせのメールを送ったところ、返事がない。
4) 画像については、学位論文となった2011年「TISSUE ENG.」の論文には2箇所で同一写真の二重使用があり、「NATURE」2014年では第1論文図1(遺伝子解析)で、画像の一部に差し替え(拙文で取り上げた箇所)がある。第2論文では、同一の胎盤写真が別の実験によるものとして使用されている。
5) 共同研究者で、胎盤の写真を担当した若山照彦(山梨医大教授)は、「小保方に100枚以上の胎盤の写真を送ったので、(彼女が)取り違えたのかも知れない」と話している。
6) 「NATUTE」誌は調査チームを立ち上げ、小保方の調査を行おうとしているが、本人から応答がない。
 ということが書いてある。
 (この記事も断定は避け、両義性のある態度を保ち、ひたすら事実を積み重ねる手法で書かれている。)
 これで小保方の幹細胞にかかわる3つの論文で、写真の不正使用があることがほぼ確定した。約10の他施設での追試実験が失敗に終わっているが、肝心の「酸性浴」を与えた細胞の詳細が不明だ。小保方がいないと実験に成功しないという若山教授の発言も不審だ。
 本来なら小保方自身が先頭に立って、これらの疑問点に記者会見をするなり、声明を発表するなりして答えるべきだと思うが、2/14の政府「総合科学技術会議」を欠席して以来、行方不明になっているのではなかろうか。
 ならば、理化学研究所はその調査を急ぎ、緊急に「中間報告」をすべきだろう。(画像の不正が単純ミスであれば、調査はすぐすむ。もし芋ずる式に「不正」が出てくれば、当然調査はすぐには終わらない。)
 もしこれが「捏造事件」であれば、国家的威信の失墜につながるわけで、大学なら学長の、理研なら理事長の、辞任は避けられないだろう。
 またメディアはまたしても「ネイチャーに載ったから」と権威によりかかった過熱報道をしてミスをしたわけだが、そしてそのことに気づいているから、今日の「産経」、「中国」のように小さくしか報じないわけだが、一部のネット・ユーザーのところには事の発端から今日までの経過にかかわる情報が詳細に集められている。それを封じることはできない。
 だったら、詳しい解説報道を行うべきだろう。
http://www.asyura2.com/13/nature5/msg/210.html

追加の情報:
 下記のリンクで小久保論文の様々な問題点がまとめられている。
http://stapcells.blogspot.jp/2014/02/blog-post_20.html
多数の実験画像における類似性や不適切なデータ処理

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