ドクターG:突然の右膝腫脹

2014年9月9日 山中克郎教授による教育症例カンファレンス

「突然の右膝腫脹――」

主訴:右胸痛、左膝痛

患者:35歳、男性

現病歴:

20日前から右胸と左膝の痛みあり。

次第に両膝が腫れてきた10日前に近医受診。

関節穿刺液;尿酸結晶なし。ピロリン酸Ca結晶なし

今朝は両背部痛と胸部が痛かった。深呼吸で左胸痛は増悪。背中や胸は寝ていても痛いことあり。痛くて目が覚める。

咳なし、発熱なし 咽頭痛(違和感)あり。

痛みは持続する、

鑑別診断:

偽痛風:WBC;数千個まで

細菌性関節炎:関節液採取;WBC5万以上

Gram染色は必要

O:突然

P: 増悪因子;大きな息をする。振動、体をひねる。寛解因子;動かない

Q: 寝ていても目が覚めるくらい痛い

R: 今朝は両側背部と前胸部、午後からは左胸部と両側背部の軽い痛み

S: 右>左膝が痛い、こんなことは初めて ペニスからの分泌液はなし

T: 20日前から軽快なし

既往歴:肺炎+副鼻腔炎

風邪をひくと40度くらい発熱することが多い(小5年生から)1週間から1か月続く

インフルエンザの時期には、急に下痢、嘔気、腹痛。発熱(38度)、となる。インフルエンザ抗原検査はいつも陰性。数日でよくなる。

研修医の鑑別診断

膠原病+胸膜炎

皮疹はなし

参考;先天性免疫不全症。IgG欠損症

生活歴;屋根を作る土木業

たばこ20本 20年間

アルコール ビール350mlX4本

山での作業やダニに刺されることあり

海外旅行はなし sick person contactはなし

性行為;女性(決まったパートナー)

現症:右膝関節腫脹のみ

検査:

CRP 0.7, WBC 6,500

Problem List

#繰り返す発熱(小学5年から)

#胸痛、背部痛

#両膝関節痛

診断:

家族性地中海熱

(TRAP症候群は?)

信州大学 岸田先生に遺伝子診断依頼

Exon 2 MEFV gene analysisで異常あり。

コルヒチン有効

家族性地中海熱診断の留意点

すべての年齢で疑う

発熱を繰り返す

胸痛、腹痛、皮疹を伴う

数日で自然によくなる

コルヒチンが劇的に効く

國松淳和;国立国際医療センター総合診療科

追加情報:

1-2か月に一度は風邪のような症状(咽頭痛鼻水)+38度を超える発熱が3日間程度で良くなる。

おそらく、患者は診断されずに見逃されていることが多いと思われる。

文献:

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsci/34/5/34_5_355/_pdf

家族性地中海熱の臨床

https://www.jstage.jst.go.jp/article/nisshoshi/107/3/107_3_427/_pdf

周期的な腹痛・発熱を主訴としMEFV 遺伝子変異を認めた家族性地中海熱の成人発症1 親子例

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsci/30/2/30_2_90/_pdf

TRAPSの診断と新しい治療法の展開

遺伝性周期性発熱症候群のひとつ:TNF-associated periodic syndrome

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