救急部での頭痛のマネージメントにおけるピットフォール

Swadron SP: Pitfalls in the management of headache in the emergency department.

Emerg Med Clin N Am 28:127–147, 2010

救急部での頭痛のマネージメントにおけるピットフォール

病歴と理学的検査のピットフォール

*治療反応を診断に関連づける

一次的頭痛は鎮痛剤に対する患者の反応により二次性頭痛から鑑別が可能というのは、よくある危険な誤解である。頭痛の痛みは最終的共通経路を介するため、鎮痛剤に対する反応は根底にある原因に対する糸口にはならない。生命に脅威を与える二次的頭痛は片頭痛の薬物やアセトアミノフェンのような単純な鎮痛剤で改善することもあり、治療しないでも自然軽快することもある。これらの薬に対する陽性反応は、頸動脈解離、CO暴露、脳腫瘍、SAH、髄膜炎や静脈洞血栓症を含むすべてのカテゴリーの二次性頭痛で報告されている。

*既知の一次性頭痛を有している患者の二次的頭痛の診断を却下する

永続する片頭痛が最も多いが、新しい正確な診断を妨げることがある。この病歴は生命に関わる虚血性脳卒中などの二次性頭痛の原因のリスクを高める。

*頭痛を高血圧のせいにする

頭痛のような急性疼痛症候群は血圧の上昇を来し、疼痛の治療が最初のアプローチである。急性の終末器官障害のない状態で、降圧剤で高血圧を積極的に治療することは、望まれない血圧の急激な下降を来し、分水嶺梗塞を招来し、長期の高血圧患者の脳卒中の原因になる。

*SAHの歴史的特徴

二次性頭痛の原因として一番関心のあるはSAHである。他の所見がない状態で散発性の頭痛として通常発症、診断されなければ、非常に致命的になる。「人生最悪の頭痛」と教えられているが、大部分の患者ではそうではない。それに加えて、頭痛の強度に関連する質問に対する回答の仕方に潜在的な矛盾が存在する。ある研究では人生の最悪の頭痛と述べた患者の3分の1が過去に同等の強度の頭痛を同定していた。頭痛発症の突然性、発症時の強度、過去の頭痛の性質と比べることが、より有用である。発症が突然で、すぐに、または、数分で強度が最大である頭痛は、いわゆる雷鳴頭痛であり、重篤な病態をはらんでいる可能性が高い。前方視的研究では重篤で突然発症の頭痛を持つ患者の44%~71%にSAHまたは重篤な病態を有していた。American College of Emergency Physicians は、雷鳴頭痛を有する患者は緊急神経画像検査を、もし画像検査で診断ができない場合は髄液検査を推奨した。SAHが確定した患者での研究では、診断に先行する日、週で頭痛の新しい症状を以前に発症したことが多かった。最初の頭痛は自然に、または鎮痛剤で改善後に良性であると帰されていることが多い。これは動脈瘤性のSAHの自然歴と一致し、症候性の小さなリークが典型的に、より重篤な障害を起こし、生命に脅威を与える出血が後の日、週に発生する。脳外科的介入がdisasterを回避できる診断がこの期間になされるのが一番良い。

他の病歴と理学的検査の重大な特徴

Table 1に二次性頭痛のリストがまとめられている。それぞれの診断は病歴と理学的検査の

重大な特徴と関連していて、もしこれらの特徴が存在する場合は診断的精密検査が指示される。同様に一次的頭痛診断の大部分の患者では診断的検査は必要ではなく、これらの特徴がないことを記載すべきである。大部分の患者では外傷がないことを単に記録することが頭部損傷の可能性を除外するのに十分である。しかしながら、他の人に依存している患者、例えば、子供や高齢者や日常生活活動で介助を必要とする患者では、介助者の異常な態度などの潜在的外傷の疑いがないことに留意すべきである。子供の虐待が疑われる場合に、急性損傷を検出するには、MRよりもCTが優れている。しかしながら、MRは放射線のリスクなしで亜急性、慢性損傷の性質や程度に関する確かな情報を与えてくれるが。

*細菌性髄膜炎は微妙に発症し、最初はウイルス性上気道炎に類似する。発熱と頭痛を呈する患者は最低限、点状出血性発疹や髄膜刺激徴候の存在を徹底的に検査すべきである。KernigやBrudzinski徴候の欠如は頭痛患者ではたびたび記載されているが、両徴候ともまれで、髄膜炎に感度がない。それに対して、頭部を患者が左右に揺らすことにより頭痛の痛みが悪化する場合は陽性と考えられるjolt accentuation testは感度が高いことが分かっていて、さらなる評価のための患者を同定するのに有用である。頭頸部周囲の構造から隣接する拡大の重要性を見逃しやすい;最近の頭頸部の機器による操作がないことや頭頸部の十分な検査は記載すべきである。免疫不全の危険因子や重篤な病人との接触がないこともまた注目すべきであり、両者とも画像と髄液の検査の閾値を低下させる。

*CO中毒はアメリカと世界中でもっともよくある中毒である。生命に脅威を与え、障害を起こし、通常は認識されずに誤診されることが多い。家庭暖房が使用される冬季でインフルエンザ様疾患と関連している頭痛や同居している他の人の同様症状や暴露地域を離れた後は日々改善するパターンはCO中毒の疑いを高める糸口のすべてである。

*側頭動脈炎Temporal arteritis (TA) )は、主として高齢白人女性に慢性の近位筋脱力をきたすpolymyalgia rheumaticaと合併する汎動脈炎である。TAの原型症状は両側側頭部の疼痛と下顎の疼痛性運動障害と安静により改善する咀嚼時の虚血性疼痛である。古典的な理学所見は視野欠損、側頭部の圧痛と触診にて浅側頭動脈の結節性である。大部分の患者はこのような古典的な徴候を示さないが、大多数は新規発症の頭痛であり、50歳以上である。失明(治療により予防可能である)に至る自然の進行のため、TAは新規発症の高齢者では考慮すべきである。

*頸部動脈解離はまれではあるが、発症がSAHに似ている突然発症の頭痛で潜在的に生命に脅威を与える原因である。頸動脈や椎骨動脈解離は自然に発症するか、または、強度の咳、カイロプラクティックの操作のような一見、軽微な外傷により促進される。頸動脈解離では疼痛は一側性であり、顔面を含み、拍動性の耳鳴または眼の交感神経性麻痺 (縮瞳や眼瞼下垂)を合併する。椎骨動脈解離では疼痛は後頭部や項部であることが最も多い。頭痛発症とイベント発症の間の期間は数日であることが多い。しかしながら、もし促進的なイベント、結合織疾患、または、若年、中年の血縁者における説明不能な虚血性脳卒中の家族歴がある場合に新規の突然発症の頭痛患者では、頸動脈解離を臨床的に疑うべきである。

*頭痛を呈する妊娠女性で子癇前症を考慮するが、産褥期での患者では考慮しないことが多い。分娩後にも子癇や子癇前症は大多数の症例で見られ、脳梗塞による永続的な障害、死をもたらす。頭痛は産褥後の子癇前症の患者で最もよくある訴えであり、分娩後4週以内のどの時期での新規の特徴を有する頭痛が発症する場合には、この診断を即座に考慮すべきである。

*重篤な頭痛、嘔吐、羞明を劇的に呈するため、急性閉塞隅角緑内障は最初には見逃されることがときどきあり、SAHや髄膜炎を除外するために時間がかかる診断的な検索がなされる。この時間に緊急眼科的コンサルトをして、局所性、全身性治療による眼内圧の低下に費やすことができる。眼の所見は視力低下、固定した中程度の瞳孔、角膜の浮腫を伴う片側性の赤眼である。救急部の外へ患者を連れていく診断的検査が施行される前のおおまかな検査は重大な介入への遅れを予防する。

占拠性病変は、一次性、二次性新生物、脳膿瘍や嚢胞などの感染的プロセス、未破裂脳動脈瘤やAVMのような血管性病変を含有している。多様性のある病態群であるが、占拠性病変による頭痛は、その発症において共通の特徴を共有している;必須条件は病変が量的に拡張し、頭蓋内圧が上昇するにつれて、進行性で絶え間のない経過をとる。頭部を下にした位置や頭蓋内圧が高くなっている覚醒後の朝に、頭痛は悪化しやすい。頭蓋骨内の、病変と隣接する構造の特異的部位が発症の他の特徴を決定する。悪性腫瘍や最近の頭頸部の感染、手術、免疫不全、頭痛が新規に発症した50歳以上の患者などのハイリスクの病態を有する患者は神経画像検査を受けることが多い。

*脳、硬膜静脈洞血栓症はもう一つのまれな、生命に脅威を与える、治療可能な頭痛の原因である。頭痛の特徴はさまざまであるが、雷鳴頭痛を呈する患者もいる。脳静脈洞血栓症(VST)のリスクのある患者は、妊娠や産褥期、経口避妊薬の使用などの過凝固状態やネフローゼ症候群、頭頸部感染症、悪性腫瘍や血管炎などである。患者は乳頭浮腫のような頭蓋内圧亢進徴候を呈し、鎮痛の試みにも関わらず症状は継続する。もし、治療されなければ、血栓は静脈性梗塞や出血に進行し、動脈支配領域に一致しない神経学的障害をもたらす。VSTは突然に脳ヘルニアをおこし、死をもたらすことがある。神経学的検査で陽性の所見がない場合は診断を追及する他の糸口はほとんどないので、多くの症例は発症時には診断されない。

*特発性頭蓋内圧亢進症; Idiopathic intracranial hypertension (IIH)は以前pseudotumor cerebriとして知られていたが、肥満の中年女性に多い傾向がある、よく理解されていない疾患である。頭蓋内圧の持続的な上昇がクモ膜顆粒のレベルでの髄液ドレナージの閉塞と関連している。しかしながら、少なくとも、VSTと共存する症例では、造影画像検査では可視できること、このサブグループではより緊急性の治療が急速な悪化を予防するために必要となる。肉眼的な血栓がない場合には悪化はより緩徐であり、もし頭蓋内圧が低下しなければ、進行性の視野障害を起こす。乳頭浮腫が見られ、視野の末梢性欠損が見られる。片側性または両側性の第6脳神経麻痺が存在する場合もある。この麻痺は頭蓋内圧上昇の結果であり、局在性のプロセスではなく、偽性局在性徴候であると考えられる。神経画像検査が陰性で占拠性病変に一致する頭痛パターンを有する患者ではIIHの診断が疑われるべきである。その診断はVSTほど、緊急を要しないが、腰椎穿刺の初圧が非常に高く、患者の症状が即座に改善する場合はこの疾患が強く示唆される。

*下垂体性卒中(Pituitary apoplexy)は非常にまれな雷鳴頭痛の原因である。下垂体に先在するadenomaに出血または梗塞として定義される。頭痛は最も著明な主訴であるが、視力低下や視野の減少、眼の麻痺などの視覚徴候をよく伴っている。

診断的な検査のピットフォール

*SAHの除外のために神経画像に頼ること

CT技術の進歩にも関わらず、単純CT画像のみでは非外傷性SAHを除外するには不十分である。1つの論文を除くすべての論文では、実質的に少数例でのLPは、陰性CT後にSAHの診断をするため必要となる。これらの症例シリーズでの感度は90%を超えていることが報告されているが、SAHに対するCTの感度はいくつかの理由で有意に低い。第1の最大のものはスペクトラムバイアスの根本的な問題である。大部分の研究は最終的にSAHと病院で診断された患者群、救急部や他の外来場面から退院した潜在的に見逃されている、より重篤でない発症の患者で分析を始めている。これらはまさに、時宜を得たSAHの診断が第2のより重篤な出血を予防するための重要な患者である。さらにほとんどの研究は照会病院で施行されている。そこでは設備や放射線科医の専門家が適切である。general radiologistの能力は、CTでの少量の出血を検出するのに、サブスペシャリストの神経放射線科医よりも劣ることが知られている。最後に、最初のリーク後に少量のクモ膜下血液は急速に吸収される;発症後12時間で、CTの感度は時間とともに減少する。MR, MR angiography, CT angiography, conventional angiographyなどのほかの画像モダリティーは、SAHが疑われる症例での髄液検査をする腰椎穿刺の必要性を省略できない。出血後に最初の数時間ではMRは血液の存在に対してCTより感度が落ちる。血液を検出する能力をより有するFLAIR法を追加しても不十分である。陰性CTを呈した12例の研究では、髄液検査によりSAHがその後に判明したが、MRは2例に出血を検出するのみであった。(Mohamed M, et al. Fluid-attenuated inversion recovery MR imaging and subarachnoid hemorrhage: not a panacea. AJNR Am J Neuroradiol 2004;25:545)どの方法によるangiographyも未破裂で無症候性動脈瘤(患者の余命中に破裂する可能性は著しく低い)と症候性動脈瘤(すでに出血し、重篤な結果を伴う再出血をおこしやすい)を区別することができない。動脈瘤が血管撮影で検出された場合、SAHを確認する髄液検査をする腰椎穿刺は外科的介入の必要性を決定するのに重大となる。脳動脈瘤の一般人口における全体的な有病率は2~6%で、頭痛を伴う非選択性の患者に対する血管撮影の無差別な適用は不必要で有害な侵襲的処置をもたらしうる。

CTの他の制限

*CT はVST(脳静脈洞血栓症)を検出する感度はない

 その感度を正確に推定するデータは欠如しているが、VSTの127例の連続症例で、頭痛単独の17例では脳CTは正常であった。造影CTの追加はいくらかの症例では役だつであろうが、診断はMR venographyにより除外することができる。しかしながら、この診断がまれであるゆえに、神経学的所見のない患者で、危険因子がなく、VSTの存在が臨床的に強く疑われない場合には緊急にMRVを施行することは無分別な期待である。

小脳梗塞は脳梗塞と同様に数時間はCTスキャンで明白にはならない。しかしながら、小脳梗塞は救急医による特別な配慮に値する。なぜならば、神経学的検査で脱力がなく、他の局在性徴候がない頭痛として発症しやすいからである。 さらに後頭蓋窩に局在するため、病変が進行すると、浮腫が起こり、脳ヘルニアのリスクが非常に大きくなる。CTはMRよりも後頭蓋窩の内容を可視化には、MRよりも感度が低いが、小脳梗塞による浮腫はたびたび見ることは可能である。結果としての圧排効果による第4脳室の偏位または閉塞は、可能な減圧術のための脳神経外科的コンサルトを迅速にすべきである。

*それと対比すると、下垂体卒中はCTでは可視化されないことが多く、もし、これが臨床的に疑われる場合はMRが推奨される。

髄液結果の誤解釈

*SAHや髄膜炎が疑われる頭痛の評価において、髄液検査の腰椎穿刺は決定的である。両者とも、正確な診断を阻害するいくつかの共通するピットフォールが存在する。SAH発症後数時間は、赤血球は循環する髄液で多数検出できる。15%までの症例では腰椎穿刺はtraumaticで、硬膜外血管からの赤血球が検体を汚染し、真のSAHを同定することが困難となる。よくある誤解は連続的な収集管で赤血球が進行性に減少することがSAHの可能性を除外するということである。SAHはtraumaticな腰椎穿刺により発生する赤血球と共存することがあるので、SAHの可能性は、もし管の一つでの髄液カウントがゼロになった場合は唯一安全に除外できる。もし血液が腰椎穿刺の最初に起こったら、最初の2~3mLの液を捨てて、髄液が透明になれば赤血球カウントがゼロに近づく可能性が増加する。もしそうならなかったら、異なった椎間で腰椎穿刺を反復する必要がある。Traumatic tapが赤血球のカウントの解釈を困難にする症例では、真のSAHの存在の確認にキサントクロミアの存在が使われていた。キサントクロミアは黄色調の変色であり、SAH数時間後に発生し、赤血球がin vivoでビリルビンとオキシヘモグロビンに分解される。しかしながら、キサントクロミアは収集された検体でin vitroで発生することが記載されており、疑陽性の結果となる。さらに、in vivoで発生するキサントクロミアはより信頼があるが、頭痛発症後12時間まで待つという習慣は勧められない。髄液検体の解釈に関するこの技法の長所は2回目の出血のリスクより勝っていて、最初の出血後にすぐに続いておこる。髄液検体を遠心後に視覚的な検査により、ほとんどすべてのUSのラボはキサントクロミアを測定する。この技法を用いて、偽陰性の結果が出ることがある。 頭痛の疼痛発症の数日後の患者ではキサントクロミアは髄液検査のSAHの残存する唯一のサインであり、典型的には2週間持続する。陰性の髄液検査は効果的にSAHの診断を除外するが、頸動脈解離、脳、硬膜VST、小脳梗塞、下垂体卒中のような雷鳴頭痛を来すほかの血管系の緊急事態を除外できない。

*中枢神経系感染症疑い患者における髄液の解釈の重要なピットフォールが存在する。救急部で入手できる髄液分析の最初の結果で細菌性とウイルス性髄膜炎を区別することは困難である。細菌性髄膜炎は多核白血球優位の細胞増多と糖の低値、Gram染色陽性の結果になりやすいが、これらの特徴は信頼できるほど存在していないし、ウイルス性髄膜炎の髄液所見と優位なオーバーラップが存在する。もし、細菌性髄膜炎の十分な臨床的な疑いが存在するばあいは、最も思慮深い経過は細菌培養の結果が入手できるまでは、広域抗生物質を使用することである。幼児、高齢者集団や免疫不全患者は最初の髄液検査では限定された細胞反応を示す。さらに、免疫不全が疑われる患者では、Cryptococcus neoformans やmycobacteriaのような非典型的な病原体を考慮すべきである。これらの病原体に対する特異的な検査は必要であり、院内内科医が後で検査するために髄液の追加チューブでの採取が有用である。Traumatic tapでは、白血球は赤血球と固定的な比率で少数に存在するが、典型的には500個の赤血球に対して1個の白血球の範囲である。この比率は末梢血でのこれらの細胞の相対的な比率に依存している。多数の白血球の存在と髄膜炎が臨床的に疑われる場合に、traumatic tapの髄膜炎を除外するためのこのような比率の使用を支持する証拠はあるけれども、異なった椎間で腰椎穿刺を反復することが推奨される。ウイルス性髄膜炎の最も重要で治療可能な原因である単純ヘルペスウイルスは髄液の赤血球と白血球を含有していることに注目すべきである。

腰椎穿刺の合併症

*腰椎穿刺の最も一般的な合併症は持続的であり、救急部に繰り返し訪問する結果をたびたび生じる、消耗性の体位性頭痛である。 これらの頭痛はいくつかのシリーズの患者のうちの最高1/3に起こり、腰椎穿刺施行後3日以内に通常起こる。頭痛は一般に横になることを患者に強制し、立位ではより悪化すると表現される;これは、穿刺部位での進行性の髄液の漏れと、その結果生じる頭蓋内圧低下症に起因しているという理論と一致している。

しかしながら、腰椎穿刺後頭痛を予防するために、小さな(22ゲージ)無傷(角張っていないtip)針を使用する慣行を支持する十分な証拠が存在する。腰椎穿刺後頭痛を防止するために患者に行う伝統的な手順(検査後のベッド上の安静、輸液の増量、およびカフェイン投与を含む〉の多くは証拠としてほとんど、または基礎を全然持っていない。しかしながら、小さい(22ゲージ)、atraumatic(noncutting tip)針を、腰椎穿刺後頭痛を予防するために使用する慣習を支持する十分な証拠がある。硬膜外ブラッドパッチ、患者自身の血液5~30mLの硬膜外腔への前処置の部位への注入は、他の治療が反応しない腰椎穿刺後頭痛に対して有効な治療法であることが知られている。腰椎穿刺の最も恐れられている合併症は脳ヘルニアである。まれではあるが、処置とそれに続くヘルニアとの間に強い時間的関連が因果関係に力を貸している。このリスクを最小化するため、腰椎穿刺の前にCTスキャンをとることを大部分の研究者は推奨している。正常CTスキャンは完全には腰椎穿刺に伴う脳ヘルニアのリスクを除外できないが、占拠性病変や他の構造的変化を有する患者では腰椎穿刺は勧められない。

他の検査上のピットフォール

*COオキシメトリ値は誤解を招きやすい。COは時間経過につれ、血液から除去されるので暴露後、長時間の患者での低値または検出できないレベルはCO中毒を除外できない。長期間の暴露で蓄積した高い組織レベルを有する中毒患者でさえ、高流量の補助酸素の投与は血液からのクリアランスを加速し、正常、正常に近いところのレベルまで導く。もし、診断が強く疑われる場合は、疑われる中毒環境から患者を排除すること、いかなる再発する症状を持つ検査を繰り返すことが推奨される。

*ESRは頭痛を有する高齢患者での側頭動脈炎(TA)の有用なスクリーニング検査であるが、極端に高い検査前の確率の存在では、診断を除外することの感度は不十分である。したがって、顎の疼痛性運動障害、浅側頭動脈の小結節形成または圧痛、複視を呈する患者では診断的評価は正常、または軽度増加したESRで終了すべきではない。このような示唆的な臨床特徴、または、特異的な特徴が少ないがESRが高値を呈する患者では、経験的なコルチコステロイドを側頭動脈生検で確定的な診断決定がなされる前に投与すべきである。

*D-dimer検査はVSTを呈する患者の同定に役立つ。しかしながら、特異度の欠如は、十分に記載されていて、周産期の女性や悪性腫瘍、血管炎、他の慢性炎症性状態を有する患者のようなVSTの危険因子が同定される患者で最も注目される。D-dimer は特に単独の頭痛を呈した患者における造影神経画像検査でVSTが確定診断されたかなりの数の患者で、また偽陰性である。

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神経内科専門医 neurologist
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