村中璃子氏の講演会主催担当者への手紙


最新の文献の追加:

Letter to the Editor:大阪大学 上田豊、木村正

神経治療34: 471, 2017

大阪大学産婦人科の上田豊先生が鹿児島大学の髙嶋博先生あてにLetter to the Editorを投稿した。HPVワクチンについて興味を持つ全ての方に必読の内容です。特に次に紹介する髙嶋先生のReply内容が素晴らしい。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnt/34/4/34_471/_pdf/-char/ja

Letter to the Editor: Reply 鹿児島大学 髙嶋博

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnt/34/4/34_472/_pdf/-char/ja

村中璃子氏について

彼女はHPVワクチン推進の立場で様々な媒体や講演会で、ワクチンの安全性を強調し、副反応と言われている神経症状は心因性、身体性障害であるとして、日本で行われているワクチン関連神経障害の研究や研究者たちを非難しています(たとえば、鹿児島大学のグループが施行している治療法である免疫吸着療法について)。

一番、彼女が科学的ではないのは、日本や外国からの副反応の研究成果(論文になっている)を無視し、SNSで反論が出た場合には、議論せず、すべて即刻削除ないし、ブロックを行っています。ワクチンの副反応に対する懸念は一般国民だけでなく、産婦人科医にもみられており、最近の阪大からの論文が示すように、3年前は産婦人科医が自分の娘にワクチン接種はゼロでしたが、3年後には、いまだに接種率が16.1%と低率の結果になっています。ただし、論文では有意に接種者が増加したことを強調しています。

彼女の批判や非難はWHOの勧告に沿ったものですが、WHO勧告には以下の問題点があります。(WHOの勧告:村中璃子noteから引用;「2017年、GACVSはシステマティックレビュー(論文をくまなく検索すること)を行い、良質なコホートを用いた世界各国のランダム化比較試験(バイアスを排除した最も信頼性の高い研究)を対象とする73,697症例についての分析を行ったところ、すべての症状について子宮頸がんワクチンとの因果関係が認められないという結論を得た。しかし、科学的分析とは裏腹に、世界では症例観察に基づく誤った報告や根拠のない主張が注目を集めている。今後もモニタリングを続け、大規模データの解析を通じてワクチンへの信頼を維持していくことが大切だが、その過程で、科学的実体をもたないアーチファクト(二次的な事象)が観察されることがある。これこそが「挑戦」だ」

 

  1. 祖父江班の評価について、結論のみを引用し、内容を批判的に吟味していない。(重篤な多様な症状の有訴率の頻度は祖父江班によると、多様な症状を呈する患者の割合は、27.8人/10万人で、非接種群に比べて、約30%多い)
  2. RCTのエビデンスレベルの高い治験のみ検討し、症例観察研究はレベルが低いとして、却下している。HPVワクチンによる副反応の発生頻度は低く、約0.09%であり、RCTでの数百人~数千規模の小数例の検討ではシグナルの発見は困難であり、症例観察研究が重要である(鹿児島大学神経内科髙嶋博教授の最新のデータでは鹿児島県におけるHPVワクチン接種後神経障害の頻度は、1/1500である)。このことはワクチンの副反応を判定するマニュアルにも記載されている。
  3. RCTの治験計画では、placeboとして、inactive placeboである生理食塩水を使用している研究は非常に少ない。ほとんどのplaceboでは、アルミニウムアジュバントを含んでいて、治験群と有意差が出にくくなっている。このことは、Cochrane Libraryでも問題を指摘しており、調査が実施される予定である。
  4. 現在の基準では多彩な症状を判定することはできない。単一症状で検討しているだけ。多数の症例観察研究が重要である。

また、PMDAについて、下記のことをご存じでしょうか?

PMDAによるHPVワクチン副作用被害認定患者は今年の9月で381人です。381人/340万人(11.2人/10万人)と祖父江班の頻度よりは少なく、おそらくは今後、認定数が増加すると推定されます。PMDAでは、副作用と認定されているにもかかわらず、国は副作用と認めていないというダブルスタンダードになっています。

日本におけるHPVワクチン接種後神経障害は自己免疫性脳症、自律神経障害を呈する新規疾患であることは神経内科では既に認知されています。日本神経治療学会誌、日本内科学会誌、日本医事新報、BRAIN & NERVE, 神経内科で総説が書かれています。神経免疫学や自律神経学会の国際誌に論文が発表されています。重篤な患者は再発性の脳症を示し、免疫吸着療法とアザチオプリンが使用され、一定の効果があります。実験モデルも作成されています。

国がワクチンの積極的勧奨をWHOや関連学会の数回の勧告にも関わらず、再開できない理由は何でしょうか?私は祖父江班の疫学調査が期待された結論を出せなかったからだと思います。多様な症状(1つ以上)を有する患者がワクチン接種群で非接種群と比べて、約30%多い。2つ以上では約73%多い。10個以上では約3倍も多いからです。バイアスがあるため、有意差検定をしないで、因果関係には言及せずに、ワクチン非接種群にも多彩な症状を有する患者が一定数存在したというミスリーディングな結論を発表しました。

参考文献:

  1. CAUSALITY ASSESSMENT OF AN ADVERSE EVENT FOLLOWING IMMUNIZATION (AEFI) User manual for the revised WHO classification WHO/HIS/EMP/QSS. MARCH 2013

ワクチン接種後の有害事象の因果関係の評価。p3の最後の段落、有害事象とワクチン接種との因果関係が不明確でも無視しないことが重要。ある時点でシグナルとして考えられ、因果関係を検査する特異的な研究で両者のリンクに関する仮説を導くかもしれない。個別の症例データをプールすることは仮説を生み出すのに非常に有用である。ロタウイルス ワクチンと腸重積の症例が良い例。初期の臨床治験ではワクチンは有用で統計学的に有意な重篤な有害事象を検出しなかった。市販後に腸重積が出現した。

  1. Ogawa Y et al. Safety of HPV vaccines in healthy young women: a meta-analysis of 24 controlled studies, J Pharmaceutical Health Care and Sciences 2017 3:18 https://doi.org/10.1186/s40780-017-0087-6

Table1参照。対象数4千人未満は20件と規模が小さい(100~500人未満は9件、500~1000人未満は4件、1000~2000人未満は5件、2000人~3000人未満は1件、3000人~4000人未満は1件、5000人以上は4件(5,762人、6004人、12,167人、18,644人)。

  1. The Cochrane Library: Aluminum adjuvants used in vaccines versus placebo or no intervention

HPVワクチンなどに含有されているアルミニウムアジュバントの安全性と危険性の調査計画の公表

4.子宮頸がんワクチン副反応の救済状況

PMDA 平成29年9月まで 処理 562人

支給 258人

不支給 310人内訳(入院外支給 123人判定不能 153人 否認 23人 年金の障害でない 4人 政令で認める程でない )

支給合計は381人、 厚労省に上げられた副反応報告は3080人

5.黒岩義之ほか:ヒトパピローマウイルスワクチン接種後の神経障害:その病態仮説 神経内科 85:567-581,2016

HANSという新規の疾患概念が形成された経緯と病態仮説が詳細に記載されている。日本自律神経学会理事長である黒岩義之先生の神経内科医としての診断能力の高さと慧眼には頭が下がる思いである。しかも、専門の自律神経系の薀蓄を駆使して、新しい病態仮説を提示している。しかも、最近では、その仮説を支持する研究成果も発表されている。

「HPVワクチン接種後神経障害」のプライマリーな病態は視床下部機能の障害であり、線維筋痛症のプライマリーな病態は疼痛・情動関連機能の障害と考えられる。

視床下部病変による症候学: 1.自律神経症候、2.内分泌症候、3.アレルギー症候、4.認知情動症候、5.意識障害 6.感覚症候、7.運動症候 「HPVワクチン接種後神経障害」は脳室周囲器官の障害から始まる。

解剖学的診断:視床下部・辺縁系ネットワークの神経内分泌攪乱

病因論的診断:HPVワクチン接種後に生じた血管内皮・血液脳関門の慢性障害 視床下部を首座に置く脳室周囲器官、別名「脳の窓」は4大ドメインである自律神経・内分泌・炎症系、運動神経系、感覚神経系、認知情動神経系と密接な神経ネットワークを構成している。

病態生理:

1.第三脳室周囲の脳室周囲器官、別名「脳の窓」における血管内皮細胞とグリア・センサー細胞ネットワークの障害、

2.視床下部・辺縁系ネットワークのシナプス・受容体機能障害 症候の流れ 4大ドメインからなる慢性進行性の神経内分泌攪乱症候 ワクチン接種から30日未満に発症ピークを示した自律神経症候、睡眠・内分泌・炎症症候)、情動症候、痛みは「脳の窓(脳室周囲器官)」に近い「視床下部」の障害によると解釈される。

ワクチン接種から30日以上、6カ月未満に発症ピークを示した認知症候、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・体性感覚症候は「脳の窓」から少し遠い「視床下部と辺縁系ネットワーク」の障害によると解釈される。

ワクチン接種から6カ月以上、1年未満に発症ピークを示した運動・ロコモーション症候は「脳の窓」からさらに遠い「視床下部と前頭側頭運動野のネットワーク」の障害によると解釈される。

脳室周囲器官の7つの一般的特徴

  1. 脳脊髄液・血液関門の役割を果たし、脳脊髄圧のセンサー。

2.血液脳関門によって保護されていない。

3.血管が豊富な「神経血管単位」である。

4.化学受容器引金帯であり、血液を介して化学物質の暴露されている。

5.神経炎症の舞台である。モノアミン分泌細胞、自然免疫細胞(ミクログリアやマスト細胞)が豊富に存在する。

6.代謝性疾患の標的となる(例:Wernicke脳症)。

7.液性自己免疫疾患の標的となる(例:神経脊髄炎)。

 

6.神経内科(科学評論社)2016年11月の鹿児島大学からの論文では、36例中8例で抗ganglionic AchR抗体が陽性、13例で抗ガングリオシド抗体が陽性。

7.YomiDrの記事によると、(2016年12月19日子宮頸がんワクチン…安全性評価論争絶えず)

子宮頸がんワクチン副作用の頻度と子宮頸がん死亡者の減少との比較について

100万接種あたりの副作用報告数    重篤なもの (インフルエンザとの比較)

サーバリックス    335.2(45倍)    186.6 (49倍)

ガーダシル         311.0 (42倍)    154.7 (41倍)

インフルエンザ       7.4               3.8

  1. Sawada, M., Ueda, Y., Yagi, A. et al. HPV vaccination in Japan: results of a 3-year follow-up survey of obstetricians and gynecologists regarding their opinions toward the vaccine. Int J Clin Oncol (2017). https://doi.org/10.1007/s10147-017-1188-9

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/28986659/

HPV vaccination in Japan: results of a 3-year follow-up survey 産婦人科医調査、推奨再開を61.0→73.6%, 娘接種、0 → 16.1%(5/31)。微増、反対1/4。阪大産婦人科の論文では産婦人科医の娘に対し31人中5人しか接種していない。前回の論文では自分の娘にHPVワクチンを接種しない理由が書かれていた。今回の論文では26人が接種していないがその理由もワクチンの積極的勧奨に賛成なのかどうかの記載が欠如している。阪大産婦人科関連の医師の調査。31人中、26人の娘には注射していない!万が一、自分の娘に副反応が起こるかもと思うと打てないだろう。しかも、WHOの勧告、祖父江班の結果を知っていても、約25%がHPV ワクチン接種の推奨再開に反対している。

  1. 祖父江班資料の42ページの図。症状を1つのみの症例を除いて計算すると、HPVワクチン接種群で2つ以上の症状を有する人数/非接種群の同様の数=20.58/11.86=1.735, 接種群で73.5%も多い。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000161352.pdf

  1. 自己免疫性脳症のスペクトラムとびまん性脳障害の神経症候学 (BRAIN and NERVE-神経研究の進歩 69巻10号)

BRAIN and NERVE-神経研究の進歩 69巻10号 pp.1131-1141(2017年10月)

総説

自己免疫性脳症のスペクトラムとびまん性脳障害の神経症候学

牧 美充, 髙嶋 博

多くの橋本脳症の患者がgive-way weaknessや解剖学的には説明しづらい異常感覚を呈していることをわれわれは見出した。それらは身体表現性障害(いわゆるヒステリー)で特徴的とされる身体症状に類似しており,脳梗塞のような局所的な障害で引き起こされる症状とは切り離されて考えられてきた。そのような神経症候が出現するためには,びまん性,多巣性に濃淡を持った微小病変を蓄積させることができる自己免疫性脳症のような病態を想定する必要がある。このような考え方で,われわれは「びまん性脳障害による神経症候」という新しい診断概念に到達し,実臨床では多くの患者を見出している。今回,抗ガングリオニックアセチルコリン受容体抗体関連脳症,子宮頸がんワクチン接種後に発生した脳症,またはスティッフ・パーソン症候群でも同様の症候がみられることを報告する。自己免疫性脳症の臨床では,抗体の存在だけでなく,自己免疫性脳症による「びまん性脳障害」という概念が重要であり,この新しい診断概念を用いることで診断が困難な自己免疫性脳症の軽症例であっても容易に診断が可能となる。

https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1416200881#.WgZy_bFXAPg.twitter

  1. 子宮頸がんワクチン接種後の神経障害【本疾患の主病態は自己免疫性の脳炎・脳症と考えられ,適切な治療が必要】

No.4856 (2017年05月20日発行) P.52

荒田 仁 (鹿児島大学神経内科)

近年,子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)接種後に,頭痛,四肢疼痛などが出現し,その後に運動障害,不随意運動,てんかん,感覚障害,思考能力の低下,睡眠障害,倦怠感,立ちくらみ,発汗障害,登校困難などが続発する例が相次いで報告されている。筆者らの50人近くの診療経験では,脳症と自律神経障害が主体の例が多い。本疾患の場合,日内変動はあるものの症状が長期に継続してみられ,日によってまったく症状が消失する例はほかの疾患と考えられる。

本疾患の病態は,免疫学的機序によるびまん性脳障害と考えられ,従来の神経学的な診察法が通用しないため,心因性のものと診断されがちである。患者の神経徴候は,橋本脳症など,ほかの自己免疫性脳症と類似点が多く,通常のMRI検査や髄液検査では異常を認めないことが多いが,SPECTでは多発性の脳血流低下,表皮内神経線維密度の低下を認め,各種自己抗体(抗ganglioside抗体,抗ganglionic AChR抗体など)が陽性となる症例が多くみられる。患者髄液中の髄液GluR抗体の陽性率も高く,IL-4やIL-13などが有意に上昇しているとの報告もあり1),自己免疫機序の裏づけも出てきた。

HPVワクチンと疾患の直接の関連については,動物モデルでワクチン投与群に視床下部障害が多いことが近年報告された。全体的なメカニズムの解明により,治療への道筋が明らかとなることが期待される。

  1. 狂犬病ワクチン接種後脳症:白木博次博士(「冒される日本人の脳より」藤原書店

「一方ワクチン禍の脳型 (cerebral form) では、注射が終ってから数週後、または180日のような長いintervalをおいて、発熱はほとんどないのに、各種の精神神経症状をきたすが、それは脳や脊髄の損傷にもとづくものである。」

ワクチンと脳障害との因果関係の立証のために、白木四原則が提唱され、裁判での立証に実際に適用されました。

子宮頸がんワクチン副反応例で白木四原則は適用されるのか(筆者の意見)?

①ワクチン接種と予防接種事故とが、時間的、空間的に密接していること

(子宮頸がんワクチン副反応例ではほとんどがこれを満たしている)

②他に原因となるべきものが考えられないこと

(まぎれこみ疾患が除外されている)

③副反応とその後遺症(折れ曲がり)が原則として質量的に強烈であること

(学業や生活に影響を長期に及ぼしている)

④事故発生のメカニズムが、実験・病理・臨床などの観点からみて、科学的・学問的に実証性や妥当性があること

(Inbarら、Arataniら動物実験があり。自律神経障害を呈する症例で、皮内神経線維密度の低下、small fiber neuropathyがみられる。特異的な自己抗体がみられるなど。脳SPECTにて特有な血流低下が見られ、髄液検査にて、特有な免疫学的異常が見られる、臨床例には一定の症状パターンがある。クラスター解析を行った疫学調査でHPVワクチン特有の神経症状の組み合わせが見出されたなど。)

の4つを組み合わせて、その蓋然性の高低の視点から、ワクチン禍の有無を考える。

4番目については、追試実験や症例の蓄積と検討がさらに必要であるが、蓋然性は高いと推定される。

  1. Aluminum adjuvants used in vaccines versus placebo or no intervention

HPVワクチンなどに含有されているアルミニウムアジュバントの安全性と危険性の調査計画の公表

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/14651858.CD012805/full/

 

親はワクチンの副作用を心配しているという調査結果を示す最近の論文

  1. Gardasil – can we trust that it is safe?

http://nutritionforlifeireland.com/hpv-vaccine/

  1. Association between parent attitudes and receipt of HPV vaccine in adolescents-

BMC Public HealthBMC series – open, inclusive and trusted201717:766

https://doi.org/10.1186/s12889-017-4787-5

どの調査も親がワクチン副作用を心配。産婦人科医が娘に接種しない理由も同じ。

  1. HPV Vaccination: What Are the Reasons for Nonvaccination Among U.S. Adolescents? – アメリカでの接種率が適正でない理由は親がワクチンの安全性を心配

Journal of Adolescent Health

Volume 61, Issue 3, September 2017, Pages 288-293

  1. Factors associated with the HPV vaccination across three countries following vaccination introduction

アメリカは副反応を気にする

Preventive Medicine Reports

Volume 8, December 2017, Pages 169-176

https://doi.org/10.1016/j.pmedr.2017.10.005

  1. 中村祐輔のシカゴ便り

中村教授はHPVワクチンの有用性を認めているが、副反応の存在も認めている。

「しかし、私は一部の研究者が指摘するような、被害者が訴えている痛みをこのワクチンと関係ないと認める立場には立たない。他のワクチンでも同様な症状があるとか、ワクチン非接種者でも同様の痛みがあるとかを指摘してみたところで、問題の解決にはならない。今、痛みで苦しんでおられる方々の心を傷つけるだけであり、本当の解決には、科学的な解析と痛みからの解放が不可欠だ。免疫反応が関係しているなら、ワクチン接種前後で、どのような免疫状態の変化が起こっているのか、科学的に調べれば何らかのヒントが得られるはずだと思っている。すでに痛みを訴えている方たちにも、協力していただくことも不可欠だ。なぜ、前向きな解決策が提案できないのか、おかしな国だ。」

http://yusukenakamura.hatenablog.com/entry/2017/08/29/072057

  1. Aratani S et al. Murine hypothalamic destruction with vascular cell apoptosis subsequent to combined administration of HPV—まだ改定も撤退もなし

https://www.nature.com/articles/srep36943

Scientific Reports 6, Article number: 36943 (2016)

doi:10.1038/srep36943

  1. 日本神経治療学会2017, 髙嶋博教授の講演の結論: 子宮頚がんワクチン接種後神経障害は器質性中枢神経障害と末梢の自律神経障害の組み合わせで発症している新しい病態である。鹿児島県患者38例の臨床研究。自己抗体、脳SPECT異常、皮膚無髄神経障害など。日本の研究が世界をリードする。

荒田仁:子宮頸がんワクチン接種後に神経障害を発症した患者の病態の本態は自己免疫脳症。治療については免疫吸着療法とアザチオプリンの有効性が示唆されたが、基本的には難治性の病態であり、繰り返しの治療が必要であった。診断基準と有効で安全な治療法の開発が急務である。

  1. 静岡てんかん•神経医療センターの小児科医高橋幸利先生が1年前に神経免疫学のトップジャーナルである、J NeuroimmunolにHPVワクチン接種後神経障害を呈する患者髄液の疫学的研究を発表した。日本内科学会雑誌8月号の総説もあり。新規病態によるワクチン接種後自己免疫脳症というのが正しい。実験モデルでの解析も進んでいるようです。
  2. Chandler, R.E. Safety Concerns with HPV Vaccines Continue to Linger: Are Current Vaccine— 日本の症例と同様の自己抗体が見つかっている。ワクチン副作用学にも言及。

Drug Saf (2017). https://doi.org/10.1007/s40264-017-0593-3

  1. 「接種の積極勧奨を再開させてはならない」前札幌学院大学教授・井上 芳保 | 論壇

http://gendainoriron.jp/vol.11/rostrum/ro02.php

  1. 副作用救済給付の決定に関する情報について | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構

https://www.pmda.go.jp/relief-services/adr-sufferers/0036.html

  1. Jankovic総説に対する招待コメント: ワクチン接種後の自己免疫報告は限られている。

その理由;

  1. この問題に関して出版された大部分の疫学的研究はワクチン製造会社により直接か、その会社と関連する医師により実施されている。
  2. 医学ジャーナルにワクチン接種に関連する副作用に取り組む研究に対し明らかな出版バイアスあり。ワクチン接種後の有害事象に関する論文は何度もリジェクトされるか取り下げられる。一方、ワクチンの有効性と安全性の論評は容易に出版される。ワクチンリスクのある人を分離する個別化医療確立要。

http://cejpaediatrics.com/upcoming/CEJP_1-2017_Segal.pdf

  1. 「HPVワクチン(子宮頸癌予防ワクチン)の副反応」の問題について −文献調査から見えてくること− 平岡厚 http://www.skeptics.jp/

無料公開中。村中璃子氏が批判されている。Journal of the JAPAN SKEPTICS 23号。

  1. Chandler RE et al: Current Safety Concerns with Human Papillomavirus Vaccine: A Cluster Analysis of Reports in VigiBase®. Drug Safety

http://link.springer.com/article/10.1007/s40264-016-0456-3

WHOの副反応が疑われる国際データベースを使用し、クラスター解析という方法でHPVワクチンの副反応について調べた画期的な研究報告である。伝統的な方法では個々のシグナル(情報薬学・計量理薬学の専門用語:今まで知られていなかった、または根拠が不十分であった有害事象と医薬品の因果関係の可能性に関する情報)に頼っていた。4つのクラスターの中で一番多い副反応は、頭痛、めまいと疲労、または失神であった。この組み合わせの報告が、非HPVワクチン接種の9~25歳女性と比較して、HPVワクチン接種群で不釣り合いに多いかを検証した。実際の数字は、下記のごとくである。

PRR (Proportional Reporting Ratios)

596/45,780 HPV patients (1.3%), 175/32,839 non-HPV patients (0.53%;他のワクチンを接種している患者)

PRRは、2.44倍であった。日本とデンマークの症例を除いても2.28倍であった。

HPVワクチン後の症候群は単一症状ではなく、複数の症状が組み合わさって、出現している。

  1. 荒田仁,髙嶋博:ヒトパピローマウイルスワクチン接種後の神経障害:自己免疫脳症の範疇から.神経内科85:547-554, 2016

脳SPECT異常や皮膚生検表皮内神経線維密度の有意な低下,抗ガングリオシド抗体,抗ganglionic nicotinic acetylcholine receptor抗体,髄液抗GluR抗体の検出は既知の事実の報告あり。

「患者の多くは発症前の学校生活は問題なく順調であり,病歴聴取では発症時に極度の心的ストレスや,明らかな疾病利得を認める者はいなかった.」

治療について

「IAPP(免疫吸着療法が最も有効であり,著効例もみられた.」

疾患頻度について

「鹿児島県での発症率は0.1%前後と推定され,予防接種後の神経障害の頻度としてはかなりの高率である.」

おわりに

「HPVワクチンと神経障害の関連についての直接的な証明ができると話は早いのだが,その実現はなかなか難しい.たとえば,統計をとろうとしても医師には器質的異常の有無を見極める診断能力が必要となる.患者を心因性疾患と決めつけてしまうと母集団が小さくなり,統計的結果は狂うことになる.」

「本邦ではHPVワクチンの積極的推奨を止めてから,ほとんど接種が行われておらず,おそらく未接種群からは患者の新規の発症はないと推定される.かって本邦の薬害難病と解決し得たSMONの原因追究の際に,キノホルムを中止して新規の発症がなくなったのと同じ現象が起こっているのではないかと考えている.」

「自己免疫脳症の研究チームを中心に世界的に検討を行うべきである.心の問題としてしか対処したことのない専門家ばかりで解析しても正しい結論は出ないのではないだろうか.」

「また,ワクチン接種後に苦しんでいる患者の現実から目をそらし,上述した統計を駆使し,HPVワクチン接種推進を目標とする医師による,患者や家族,診療・研究チームへの誹謗中傷は限度を超えるものがある.」

「伝統的な神経徴候の捉え方からのパラダイムシフトが必要であるし,実際に苦しんでいる患者の本質を追及しようとせずに目を背けてしまっている診療姿勢を改める必要もある.現実に重い症状で困っている患者は数百人にのぼっている.」

「本疾患の主病態は脳炎・脳症と考えられ,神経内科医は意味のない誹謗中傷に負けることなくしっかりと患者に向き合って,神経学会全体で病態を解析し完治させるべく努力すべきである.」

  1. 別府宏圀、水口真寿美、打出喜義、ほか:日本におけるHPVワクチン有害反応の教訓:医療倫理学的観点

http://www.yakugai.gr.jp/topics/file/Lessons_learnt_in_Japan_from_adverse_reactions%20_to_the_HPV_vaccine_a_medical_ethics_perspective_IJME2017_Japanese_version.pdf

要約

ヒトパピローマウィルス(HPV)ワクチンは多数の重大な有害反応との関係が論じられている。その症状は多彩で長期間にわたって重層的に現れる。HPVワクチンの有効性・安全性を巡る議論には以下のような欠陥が見落とされている。即ち、(i)自己免疫疾患の遺伝的基本が考慮されていないため、そのことを配慮していない議論はワクチンの安全性を保証することにならない、(ii) HPVには免疫回避の機序があるので、HPVワクチンが有効に働くためには長期間にわたって異常に高い抗体価の維持が必要であることを無視している、(iii) HPVワクチンの効果は限られている、等である。本稿ではまた、ワクチンの開発・宣伝・販売の過程で生じたさまざまな問題、および有害事象のモニタリングや疫学的検証に関して遭遇する落とし穴に関しても検討を行う。

  1. Kinoshita T, Abe RT, Hineno A, Tsunekawa K, Nakane S, Ikeda S. Peripheral sympathetic nerve dysfunction in adolescent Japanese girls following immunization with the human papillomavirus vaccine. Intern Med. 2014;53(19):2185–200.
  2. Hirai T, Kuroiwa Y, Hayashi T, Uchiyama M, Nakamura I, Yokota S, Nakajima T, Nishioka K, Iguchi Y. Adverse effects of human papilloma virus vaccination on central nervous system: Neuro-endocrinological disorders of hypothalamo-pituitary axis. The Autonomic Nervous System. 2016;53:49–64.
  3. 池田修一. 子宮頸がんワクチンの副反応と神経障害. BRAIN and NERVE-神経研究の進歩. 2015; 67(7):835-43.
  4. 高畑克徳、高嶋博:自己免疫性脳症を見きわめるための新しい神経診察の提案――

身体表現性障害との鑑別。

  1. Jefferson T, Jørgensen L. Human papillomavirus vaccines, complex regional pain syndrome, postural orthostatic tachycardia syndrome, and autonomic dysfunction – a review of the regulatory evidence from the European Medicines Agency. Indian J Med Ethics 2017;2(1):30–37.
  2. Takahashi Y, et al : Immunological studies of cerebrospinal fluid from patients with CNS symptoms after human papillomavirus vaccination. J Neuroimmunol. 2016 ; 298 : 71-8.

https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=7027

  1. Matsudaira T et al: Cognitive dysfunction and regional cerebral blood flow changes in Japanese females after human papillomavirus vaccination. Neurology and Clinical Neuroscience 4: 220–227, 2016
  2. Perricone C, et al: Role of environmental factors in autoimmunity: pearls from the 10th international Congress on autoimmunity, Leipzig, Germany 2016. Immunol Res (2016). doi:10.1007/s12026-016-8857-z
  3. Hendrickson JE, Tormey CA. Human papilloma virus vaccination and dysautonomia: consideration for autoantibody evaluation and HLA typing. Vaccine. 2016;34:4468.
  4. Palmieri B, et al: Severe somatoform and dysautonomic syndromes after HPV vaccination: case series and review of literature. Immunol Res. 2016. doi:10.1007/s12026-016-8820-z.
  5. Geier DA, Geier MR. Quadrivalent human papillomavirus vaccine and autoimmune adverse events: a case-control assessment of the vaccine adverse event reporting system (VAERS) database. Immunol Res. 2016. doi:10.1007/s12026-016-8815-9.
  6. Hotta O, et al: Involvement of chronic epipharyngitis in autoimmune (auto-inflammatory) syndrome induced by adjuvants (ASIA). Immunol Res 2016 doi:10.1007/s12026-016-8859-x
  7. Blitshteyn S, Brook J: Postural tachycardia syndrome (POTS) with anti-NMDA receptor antibodies after human papillomavirus vaccination. Immunol Res (2016) DOI 10.1007/s12026-016-8855-1
  8. Inbar R et al: Behavioral abnormalities in female mice following administration of aluminum adjuvants and the human papillomavirus (HPV) vaccine Gardasil. Immunol Res (2016). doi:10.1007/s12026-016-8826
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村中璃子氏の講演会主催担当者への手紙 への1件のフィードバック

  1. ダカーポ より:

    マドックス賞のこちらの記事のしたにコメント欄がありますので、よかったらぜひ議論してください。
    https://allianceforscience.cornell.edu/blog/japanese-doctor-wins-global-prize-standing-anti-vaccine-activists

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