HPVワクチンーガーダシル物語


下記の論文には興味深いこと、恐ろしいことが書かれている。直訳で分かりにくいが、興味あるかたは原文を読んでください。

Leonard F. Vernon. How Silencing of Dissent in Science Impacts Woman. The Gardasil® Story. Advances in Sexual Medicine, 2017, 7, 179-204

http://www.scirp.org/journal/PaperInformation.aspx?paperID=80023

大部分の医者が理解していないのはワクチン接種の議論をシャットダウンするように援助する巨大製薬企業によって、知らず知らずに勧誘されていることである。

学者の間でさえ、ワクチン反対の抑制は当たり前になっていて、反対する科学やこれと共にくる危険性を沈黙させるすべりやすい斜面に導く。

ワクチンの安全性を疑う人々は、問題に関する多数意見を持つ人々により、追放され、誤って引用され、精神障害があるようにさえさせられた。

ワクチンの安全性を疑う医者は医師免許が脅かされたり、失職させられたりした。名前呼び出しや似非科学(広く認められた査読ジャーナルから、エビデンスが発表された時でも)や、9/11のtruthersのようなグループのカテゴリーに少数意見を持っている人々を置く効果を持つ“陰謀理論家”のような言葉を使用する戦術はまれではない。

ワクチンに反対する見解の発表を奪う方法は、反ワクチン賛同者が会場に現れるのを許可しないように圧力、メディアを使い、反ワクチングループを“狂気じみた人”として、“さらす”こと、一方では同時に多数派の意見を発表し、発表者は問題に関する唯一の権威者として。

プロワクチングループのより過激な要素として、問題は解決済みであり、議論の必要性はないという声明でさえ出すであろう。

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カテゴリー: ニュースと政治, 神経内科医, 健康, 医学, 医学教育, 挑戦, 未分類 | 1件のコメント

村中璃子氏の講演会主催担当者への手紙


村中璃子氏について

彼女はHPVワクチン推進の立場で様々な媒体や講演会で、ワクチンの安全性を強調し、副反応と言われている神経症状は心因性、身体性障害であるとして、日本で行われているワクチン関連神経障害の研究や研究者たちを非難しています(たとえば、鹿児島大学のグループが施行している治療法である免疫吸着療法について)。

一番、彼女が科学的ではないのは、日本や外国からの副反応の研究成果(論文になっている)を無視し、SNSで反論が出た場合には、議論せず、すべて即刻削除ないし、ブロックを行っています。ワクチンの副反応に対する懸念は一般国民だけでなく、産婦人科医にもみられており、最近の阪大からの論文が示すように、3年前は産婦人科医が自分の娘にワクチン接種はゼロでしたが、3年後には、いまだに接種率が16.1%と低率の結果になっています。ただし、論文では有意に接種者が増加したことを強調しています。

彼女の批判や非難はWHOの勧告に沿ったものですが、WHO勧告には以下の問題点があります。(WHOの勧告:村中璃子noteから引用;「2017年、GACVSはシステマティックレビュー(論文をくまなく検索すること)を行い、良質なコホートを用いた世界各国のランダム化比較試験(バイアスを排除した最も信頼性の高い研究)を対象とする73,697症例についての分析を行ったところ、すべての症状について子宮頸がんワクチンとの因果関係が認められないという結論を得た。しかし、科学的分析とは裏腹に、世界では症例観察に基づく誤った報告や根拠のない主張が注目を集めている。今後もモニタリングを続け、大規模データの解析を通じてワクチンへの信頼を維持していくことが大切だが、その過程で、科学的実体をもたないアーチファクト(二次的な事象)が観察されることがある。これこそが「挑戦」だ」

 

  1. 祖父江班の評価について、結論のみを引用し、内容を批判的に吟味していない。(重篤な多様な症状の有訴率の頻度は祖父江班によると、多様な症状を呈する患者の割合は、27.8人/10万人で、非接種群に比べて、約30%多い)
  2. RCTのエビデンスレベルの高い治験のみ検討し、症例観察研究はレベルが低いとして、却下している。HPVワクチンによる副反応の発生頻度は低く、約0.09%であり、RCTでの数百人~数千規模の小数例の検討ではシグナルの発見は困難であり、症例観察研究が重要である(鹿児島大学神経内科髙嶋博教授の最新のデータでは鹿児島県におけるHPVワクチン接種後神経障害の頻度は、1/1500である)。このことはワクチンの副反応を判定するマニュアルにも記載されている。
  3. RCTの治験計画では、placeboとして、inactive placeboである生理食塩水を使用している研究は非常に少ない。ほとんどのplaceboでは、アルミニウムアジュバントを含んでいて、治験群と有意差が出にくくなっている。このことは、Cochrane Libraryでも問題を指摘しており、調査が実施される予定である。
  4. 現在の基準では多彩な症状を判定することはできない。単一症状で検討しているだけ。多数の症例観察研究が重要である。

また、PMDAについて、下記のことをご存じでしょうか?

PMDAによるHPVワクチン副作用被害認定患者は今年の9月で381人です。381人/340万人(11.2人/10万人)と祖父江班の頻度よりは少なく、おそらくは今後、認定数が増加すると推定されます。PMDAでは、副作用と認定されているにもかかわらず、国は副作用と認めていないというダブルスタンダードになっています。

日本におけるHPVワクチン接種後神経障害は自己免疫性脳症、自律神経障害を呈する新規疾患であることは神経内科では既に認知されています。日本神経治療学会誌、日本内科学会誌、日本医事新報、BRAIN & NERVE, 神経内科で総説が書かれています。神経免疫学や自律神経学会の国際誌に論文が発表されています。重篤な患者は再発性の脳症を示し、免疫吸着療法とアザチオプリンが使用され、一定の効果があります。実験モデルも作成されています。

国がワクチンの積極的勧奨をWHOや関連学会の数回の勧告にも関わらず、再開できない理由は何でしょうか?私は祖父江班の疫学調査が期待された結論を出せなかったからだと思います。多様な症状(1つ以上)を有する患者がワクチン接種群で非接種群と比べて、約30%多い。2つ以上では約73%多い。10個以上では約3倍も多いからです。バイアスがあるため、有意差検定をしないで、因果関係には言及せずに、ワクチン非接種群にも多彩な症状を有する患者が一定数存在したというミスリーディングな結論を発表しました。

参考文献:

  1. CAUSALITY ASSESSMENT OF AN ADVERSE EVENT FOLLOWING IMMUNIZATION (AEFI) User manual for the revised WHO classification WHO/HIS/EMP/QSS. MARCH 2013

ワクチン接種後の有害事象の因果関係の評価。p3の最後の段落、有害事象とワクチン接種との因果関係が不明確でも無視しないことが重要。ある時点でシグナルとして考えられ、因果関係を検査する特異的な研究で両者のリンクに関する仮説を導くかもしれない。個別の症例データをプールすることは仮説を生み出すのに非常に有用である。ロタウイルス ワクチンと腸重積の症例が良い例。初期の臨床治験ではワクチンは有用で統計学的に有意な重篤な有害事象を検出しなかった。市販後に腸重積が出現した。

  1. Ogawa Y et al. Safety of HPV vaccines in healthy young women: a meta-analysis of 24 controlled studies, J Pharmaceutical Health Care and Sciences 2017 3:18 https://doi.org/10.1186/s40780-017-0087-6

Table1参照。対象数4千人未満は20件と規模が小さい(100~500人未満は9件、500~1000人未満は4件、1000~2000人未満は5件、2000人~3000人未満は1件、3000人~4000人未満は1件、5000人以上は4件(5,762人、6004人、12,167人、18,644人)。

  1. The Cochrane Library: Aluminum adjuvants used in vaccines versus placebo or no intervention

HPVワクチンなどに含有されているアルミニウムアジュバントの安全性と危険性の調査計画の公表

4.子宮頸がんワクチン副反応の救済状況

PMDA 平成29年9月まで 処理 562人

支給 258人

不支給 310人内訳(入院外支給 123人判定不能 153人 否認 23人 年金の障害でない 4人 政令で認める程でない )

支給合計は381人、 厚労省に上げられた副反応報告は3080人

5.黒岩義之ほか:ヒトパピローマウイルスワクチン接種後の神経障害:その病態仮説 神経内科 85:567-581,2016

HANSという新規の疾患概念が形成された経緯と病態仮説が詳細に記載されている。日本自律神経学会理事長である黒岩義之先生の神経内科医としての診断能力の高さと慧眼には頭が下がる思いである。しかも、専門の自律神経系の薀蓄を駆使して、新しい病態仮説を提示している。しかも、最近では、その仮説を支持する研究成果も発表されている。

「HPVワクチン接種後神経障害」のプライマリーな病態は視床下部機能の障害であり、線維筋痛症のプライマリーな病態は疼痛・情動関連機能の障害と考えられる。

視床下部病変による症候学: 1.自律神経症候、2.内分泌症候、3.アレルギー症候、4.認知情動症候、5.意識障害 6.感覚症候、7.運動症候 「HPVワクチン接種後神経障害」は脳室周囲器官の障害から始まる。

解剖学的診断:視床下部・辺縁系ネットワークの神経内分泌攪乱

病因論的診断:HPVワクチン接種後に生じた血管内皮・血液脳関門の慢性障害 視床下部を首座に置く脳室周囲器官、別名「脳の窓」は4大ドメインである自律神経・内分泌・炎症系、運動神経系、感覚神経系、認知情動神経系と密接な神経ネットワークを構成している。

病態生理:

1.第三脳室周囲の脳室周囲器官、別名「脳の窓」における血管内皮細胞とグリア・センサー細胞ネットワークの障害、

2.視床下部・辺縁系ネットワークのシナプス・受容体機能障害 症候の流れ 4大ドメインからなる慢性進行性の神経内分泌攪乱症候 ワクチン接種から30日未満に発症ピークを示した自律神経症候、睡眠・内分泌・炎症症候)、情動症候、痛みは「脳の窓(脳室周囲器官)」に近い「視床下部」の障害によると解釈される。

ワクチン接種から30日以上、6カ月未満に発症ピークを示した認知症候、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・体性感覚症候は「脳の窓」から少し遠い「視床下部と辺縁系ネットワーク」の障害によると解釈される。

ワクチン接種から6カ月以上、1年未満に発症ピークを示した運動・ロコモーション症候は「脳の窓」からさらに遠い「視床下部と前頭側頭運動野のネットワーク」の障害によると解釈される。

脳室周囲器官の7つの一般的特徴

  1. 脳脊髄液・血液関門の役割を果たし、脳脊髄圧のセンサー。

2.血液脳関門によって保護されていない。

3.血管が豊富な「神経血管単位」である。

4.化学受容器引金帯であり、血液を介して化学物質の暴露されている。

5.神経炎症の舞台である。モノアミン分泌細胞、自然免疫細胞(ミクログリアやマスト細胞)が豊富に存在する。

6.代謝性疾患の標的となる(例:Wernicke脳症)。

7.液性自己免疫疾患の標的となる(例:神経脊髄炎)。

 

6.神経内科(科学評論社)2016年11月の鹿児島大学からの論文では、36例中8例で抗ganglionic AchR抗体が陽性、13例で抗ガングリオシド抗体が陽性。

7.YomiDrの記事によると、(2016年12月19日子宮頸がんワクチン…安全性評価論争絶えず)

子宮頸がんワクチン副作用の頻度と子宮頸がん死亡者の減少との比較について

100万接種あたりの副作用報告数    重篤なもの (インフルエンザとの比較)

サーバリックス    335.2(45倍)    186.6 (49倍)

ガーダシル         311.0 (42倍)    154.7 (41倍)

インフルエンザ       7.4               3.8

  1. Sawada, M., Ueda, Y., Yagi, A. et al. HPV vaccination in Japan: results of a 3-year follow-up survey of obstetricians and gynecologists regarding their opinions toward the vaccine. Int J Clin Oncol (2017). https://doi.org/10.1007/s10147-017-1188-9

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/28986659/

HPV vaccination in Japan: results of a 3-year follow-up survey 産婦人科医調査、推奨再開を61.0→73.6%, 娘接種、0 → 16.1%(5/31)。微増、反対1/4。阪大産婦人科の論文では産婦人科医の娘に対し31人中5人しか接種していない。前回の論文では自分の娘にHPVワクチンを接種しない理由が書かれていた。今回の論文では26人が接種していないがその理由もワクチンの積極的勧奨に賛成なのかどうかの記載が欠如している。阪大産婦人科関連の医師の調査。31人中、26人の娘には注射していない!万が一、自分の娘に副反応が起こるかもと思うと打てないだろう。しかも、WHOの勧告、祖父江班の結果を知っていても、約25%がHPV ワクチン接種の推奨再開に反対している。

  1. 祖父江班資料の42ページの図。症状を1つのみの症例を除いて計算すると、HPVワクチン接種群で2つ以上の症状を有する人数/非接種群の同様の数=20.58/11.86=1.735, 接種群で73.5%も多い。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000161352.pdf

  1. 自己免疫性脳症のスペクトラムとびまん性脳障害の神経症候学 (BRAIN and NERVE-神経研究の進歩 69巻10号)

BRAIN and NERVE-神経研究の進歩 69巻10号 pp.1131-1141(2017年10月)

総説

自己免疫性脳症のスペクトラムとびまん性脳障害の神経症候学

牧 美充, 髙嶋 博

多くの橋本脳症の患者がgive-way weaknessや解剖学的には説明しづらい異常感覚を呈していることをわれわれは見出した。それらは身体表現性障害(いわゆるヒステリー)で特徴的とされる身体症状に類似しており,脳梗塞のような局所的な障害で引き起こされる症状とは切り離されて考えられてきた。そのような神経症候が出現するためには,びまん性,多巣性に濃淡を持った微小病変を蓄積させることができる自己免疫性脳症のような病態を想定する必要がある。このような考え方で,われわれは「びまん性脳障害による神経症候」という新しい診断概念に到達し,実臨床では多くの患者を見出している。今回,抗ガングリオニックアセチルコリン受容体抗体関連脳症,子宮頸がんワクチン接種後に発生した脳症,またはスティッフ・パーソン症候群でも同様の症候がみられることを報告する。自己免疫性脳症の臨床では,抗体の存在だけでなく,自己免疫性脳症による「びまん性脳障害」という概念が重要であり,この新しい診断概念を用いることで診断が困難な自己免疫性脳症の軽症例であっても容易に診断が可能となる。

https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1416200881#.WgZy_bFXAPg.twitter

  1. 子宮頸がんワクチン接種後の神経障害【本疾患の主病態は自己免疫性の脳炎・脳症と考えられ,適切な治療が必要】

No.4856 (2017年05月20日発行) P.52

荒田 仁 (鹿児島大学神経内科)

近年,子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)接種後に,頭痛,四肢疼痛などが出現し,その後に運動障害,不随意運動,てんかん,感覚障害,思考能力の低下,睡眠障害,倦怠感,立ちくらみ,発汗障害,登校困難などが続発する例が相次いで報告されている。筆者らの50人近くの診療経験では,脳症と自律神経障害が主体の例が多い。本疾患の場合,日内変動はあるものの症状が長期に継続してみられ,日によってまったく症状が消失する例はほかの疾患と考えられる。

本疾患の病態は,免疫学的機序によるびまん性脳障害と考えられ,従来の神経学的な診察法が通用しないため,心因性のものと診断されがちである。患者の神経徴候は,橋本脳症など,ほかの自己免疫性脳症と類似点が多く,通常のMRI検査や髄液検査では異常を認めないことが多いが,SPECTでは多発性の脳血流低下,表皮内神経線維密度の低下を認め,各種自己抗体(抗ganglioside抗体,抗ganglionic AChR抗体など)が陽性となる症例が多くみられる。患者髄液中の髄液GluR抗体の陽性率も高く,IL-4やIL-13などが有意に上昇しているとの報告もあり1),自己免疫機序の裏づけも出てきた。

HPVワクチンと疾患の直接の関連については,動物モデルでワクチン投与群に視床下部障害が多いことが近年報告された。全体的なメカニズムの解明により,治療への道筋が明らかとなることが期待される。

  1. 狂犬病ワクチン接種後脳症:白木博次博士(「冒される日本人の脳より」藤原書店

「一方ワクチン禍の脳型 (cerebral form) では、注射が終ってから数週後、または180日のような長いintervalをおいて、発熱はほとんどないのに、各種の精神神経症状をきたすが、それは脳や脊髄の損傷にもとづくものである。」

ワクチンと脳障害との因果関係の立証のために、白木四原則が提唱され、裁判での立証に実際に適用されました。

子宮頸がんワクチン副反応例で白木四原則は適用されるのか(筆者の意見)?

①ワクチン接種と予防接種事故とが、時間的、空間的に密接していること

(子宮頸がんワクチン副反応例ではほとんどがこれを満たしている)

②他に原因となるべきものが考えられないこと

(まぎれこみ疾患が除外されている)

③副反応とその後遺症(折れ曲がり)が原則として質量的に強烈であること

(学業や生活に影響を長期に及ぼしている)

④事故発生のメカニズムが、実験・病理・臨床などの観点からみて、科学的・学問的に実証性や妥当性があること

(Inbarら、Arataniら動物実験があり。自律神経障害を呈する症例で、皮内神経線維密度の低下、small fiber neuropathyがみられる。特異的な自己抗体がみられるなど。脳SPECTにて特有な血流低下が見られ、髄液検査にて、特有な免疫学的異常が見られる、臨床例には一定の症状パターンがある。クラスター解析を行った疫学調査でHPVワクチン特有の神経症状の組み合わせが見出されたなど。)

の4つを組み合わせて、その蓋然性の高低の視点から、ワクチン禍の有無を考える。

4番目については、追試実験や症例の蓄積と検討がさらに必要であるが、蓋然性は高いと推定される。

  1. Aluminum adjuvants used in vaccines versus placebo or no intervention

HPVワクチンなどに含有されているアルミニウムアジュバントの安全性と危険性の調査計画の公表

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/14651858.CD012805/full/

 

親はワクチンの副作用を心配しているという調査結果を示す最近の論文

  1. Gardasil – can we trust that it is safe?

http://nutritionforlifeireland.com/hpv-vaccine/

  1. Association between parent attitudes and receipt of HPV vaccine in adolescents-

BMC Public HealthBMC series – open, inclusive and trusted201717:766

https://doi.org/10.1186/s12889-017-4787-5

どの調査も親がワクチン副作用を心配。産婦人科医が娘に接種しない理由も同じ。

  1. HPV Vaccination: What Are the Reasons for Nonvaccination Among U.S. Adolescents? – アメリカでの接種率が適正でない理由は親がワクチンの安全性を心配

Journal of Adolescent Health

Volume 61, Issue 3, September 2017, Pages 288-293

  1. Factors associated with the HPV vaccination across three countries following vaccination introduction

アメリカは副反応を気にする

Preventive Medicine Reports

Volume 8, December 2017, Pages 169-176

https://doi.org/10.1016/j.pmedr.2017.10.005

  1. 中村祐輔のシカゴ便り

中村教授はHPVワクチンの有用性を認めているが、副反応の存在も認めている。

「しかし、私は一部の研究者が指摘するような、被害者が訴えている痛みをこのワクチンと関係ないと認める立場には立たない。他のワクチンでも同様な症状があるとか、ワクチン非接種者でも同様の痛みがあるとかを指摘してみたところで、問題の解決にはならない。今、痛みで苦しんでおられる方々の心を傷つけるだけであり、本当の解決には、科学的な解析と痛みからの解放が不可欠だ。免疫反応が関係しているなら、ワクチン接種前後で、どのような免疫状態の変化が起こっているのか、科学的に調べれば何らかのヒントが得られるはずだと思っている。すでに痛みを訴えている方たちにも、協力していただくことも不可欠だ。なぜ、前向きな解決策が提案できないのか、おかしな国だ。」

http://yusukenakamura.hatenablog.com/entry/2017/08/29/072057

  1. Aratani S et al. Murine hypothalamic destruction with vascular cell apoptosis subsequent to combined administration of HPV—まだ改定も撤退もなし

https://www.nature.com/articles/srep36943

Scientific Reports 6, Article number: 36943 (2016)

doi:10.1038/srep36943

  1. 日本神経治療学会2017, 髙嶋博教授の講演の結論: 子宮頚がんワクチン接種後神経障害は器質性中枢神経障害と末梢の自律神経障害の組み合わせで発症している新しい病態である。鹿児島県患者38例の臨床研究。自己抗体、脳SPECT異常、皮膚無髄神経障害など。日本の研究が世界をリードする。

荒田仁:子宮頸がんワクチン接種後に神経障害を発症した患者の病態の本態は自己免疫脳症。治療については免疫吸着療法とアザチオプリンの有効性が示唆されたが、基本的には難治性の病態であり、繰り返しの治療が必要であった。診断基準と有効で安全な治療法の開発が急務である。

  1. 静岡てんかん•神経医療センターの小児科医高橋幸利先生が1年前に神経免疫学のトップジャーナルである、J NeuroimmunolにHPVワクチン接種後神経障害を呈する患者髄液の疫学的研究を発表した。日本内科学会雑誌8月号の総説もあり。新規病態によるワクチン接種後自己免疫脳症というのが正しい。実験モデルでの解析も進んでいるようです。
  2. Chandler, R.E. Safety Concerns with HPV Vaccines Continue to Linger: Are Current Vaccine— 日本の症例と同様の自己抗体が見つかっている。ワクチン副作用学にも言及。

Drug Saf (2017). https://doi.org/10.1007/s40264-017-0593-3

  1. 「接種の積極勧奨を再開させてはならない」前札幌学院大学教授・井上 芳保 | 論壇

http://gendainoriron.jp/vol.11/rostrum/ro02.php

  1. 副作用救済給付の決定に関する情報について | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構

https://www.pmda.go.jp/relief-services/adr-sufferers/0036.html

  1. Jankovic総説に対する招待コメント: ワクチン接種後の自己免疫報告は限られている。

その理由;

  1. この問題に関して出版された大部分の疫学的研究はワクチン製造会社により直接か、その会社と関連する医師により実施されている。
  2. 医学ジャーナルにワクチン接種に関連する副作用に取り組む研究に対し明らかな出版バイアスあり。ワクチン接種後の有害事象に関する論文は何度もリジェクトされるか取り下げられる。一方、ワクチンの有効性と安全性の論評は容易に出版される。ワクチンリスクのある人を分離する個別化医療確立要。

http://cejpaediatrics.com/upcoming/CEJP_1-2017_Segal.pdf

  1. 「HPVワクチン(子宮頸癌予防ワクチン)の副反応」の問題について −文献調査から見えてくること− 平岡厚 http://www.skeptics.jp/

無料公開中。村中璃子氏が批判されている。Journal of the JAPAN SKEPTICS 23号。

  1. Chandler RE et al: Current Safety Concerns with Human Papillomavirus Vaccine: A Cluster Analysis of Reports in VigiBase®. Drug Safety

http://link.springer.com/article/10.1007/s40264-016-0456-3

WHOの副反応が疑われる国際データベースを使用し、クラスター解析という方法でHPVワクチンの副反応について調べた画期的な研究報告である。伝統的な方法では個々のシグナル(情報薬学・計量理薬学の専門用語:今まで知られていなかった、または根拠が不十分であった有害事象と医薬品の因果関係の可能性に関する情報)に頼っていた。4つのクラスターの中で一番多い副反応は、頭痛、めまいと疲労、または失神であった。この組み合わせの報告が、非HPVワクチン接種の9~25歳女性と比較して、HPVワクチン接種群で不釣り合いに多いかを検証した。実際の数字は、下記のごとくである。

PRR (Proportional Reporting Ratios)

596/45,780 HPV patients (1.3%), 175/32,839 non-HPV patients (0.53%;他のワクチンを接種している患者)

PRRは、2.44倍であった。日本とデンマークの症例を除いても2.28倍であった。

HPVワクチン後の症候群は単一症状ではなく、複数の症状が組み合わさって、出現している。

  1. 荒田仁,髙嶋博:ヒトパピローマウイルスワクチン接種後の神経障害:自己免疫脳症の範疇から.神経内科85:547-554, 2016

脳SPECT異常や皮膚生検表皮内神経線維密度の有意な低下,抗ガングリオシド抗体,抗ganglionic nicotinic acetylcholine receptor抗体,髄液抗GluR抗体の検出は既知の事実の報告あり。

「患者の多くは発症前の学校生活は問題なく順調であり,病歴聴取では発症時に極度の心的ストレスや,明らかな疾病利得を認める者はいなかった.」

治療について

「IAPP(免疫吸着療法が最も有効であり,著効例もみられた.」

疾患頻度について

「鹿児島県での発症率は0.1%前後と推定され,予防接種後の神経障害の頻度としてはかなりの高率である.」

おわりに

「HPVワクチンと神経障害の関連についての直接的な証明ができると話は早いのだが,その実現はなかなか難しい.たとえば,統計をとろうとしても医師には器質的異常の有無を見極める診断能力が必要となる.患者を心因性疾患と決めつけてしまうと母集団が小さくなり,統計的結果は狂うことになる.」

「本邦ではHPVワクチンの積極的推奨を止めてから,ほとんど接種が行われておらず,おそらく未接種群からは患者の新規の発症はないと推定される.かって本邦の薬害難病と解決し得たSMONの原因追究の際に,キノホルムを中止して新規の発症がなくなったのと同じ現象が起こっているのではないかと考えている.」

「自己免疫脳症の研究チームを中心に世界的に検討を行うべきである.心の問題としてしか対処したことのない専門家ばかりで解析しても正しい結論は出ないのではないだろうか.」

「また,ワクチン接種後に苦しんでいる患者の現実から目をそらし,上述した統計を駆使し,HPVワクチン接種推進を目標とする医師による,患者や家族,診療・研究チームへの誹謗中傷は限度を超えるものがある.」

「伝統的な神経徴候の捉え方からのパラダイムシフトが必要であるし,実際に苦しんでいる患者の本質を追及しようとせずに目を背けてしまっている診療姿勢を改める必要もある.現実に重い症状で困っている患者は数百人にのぼっている.」

「本疾患の主病態は脳炎・脳症と考えられ,神経内科医は意味のない誹謗中傷に負けることなくしっかりと患者に向き合って,神経学会全体で病態を解析し完治させるべく努力すべきである.」

  1. 別府宏圀、水口真寿美、打出喜義、ほか:日本におけるHPVワクチン有害反応の教訓:医療倫理学的観点

http://www.yakugai.gr.jp/topics/file/Lessons_learnt_in_Japan_from_adverse_reactions%20_to_the_HPV_vaccine_a_medical_ethics_perspective_IJME2017_Japanese_version.pdf

要約

ヒトパピローマウィルス(HPV)ワクチンは多数の重大な有害反応との関係が論じられている。その症状は多彩で長期間にわたって重層的に現れる。HPVワクチンの有効性・安全性を巡る議論には以下のような欠陥が見落とされている。即ち、(i)自己免疫疾患の遺伝的基本が考慮されていないため、そのことを配慮していない議論はワクチンの安全性を保証することにならない、(ii) HPVには免疫回避の機序があるので、HPVワクチンが有効に働くためには長期間にわたって異常に高い抗体価の維持が必要であることを無視している、(iii) HPVワクチンの効果は限られている、等である。本稿ではまた、ワクチンの開発・宣伝・販売の過程で生じたさまざまな問題、および有害事象のモニタリングや疫学的検証に関して遭遇する落とし穴に関しても検討を行う。

  1. Kinoshita T, Abe RT, Hineno A, Tsunekawa K, Nakane S, Ikeda S. Peripheral sympathetic nerve dysfunction in adolescent Japanese girls following immunization with the human papillomavirus vaccine. Intern Med. 2014;53(19):2185–200.
  2. Hirai T, Kuroiwa Y, Hayashi T, Uchiyama M, Nakamura I, Yokota S, Nakajima T, Nishioka K, Iguchi Y. Adverse effects of human papilloma virus vaccination on central nervous system: Neuro-endocrinological disorders of hypothalamo-pituitary axis. The Autonomic Nervous System. 2016;53:49–64.
  3. 池田修一. 子宮頸がんワクチンの副反応と神経障害. BRAIN and NERVE-神経研究の進歩. 2015; 67(7):835-43.
  4. 高畑克徳、高嶋博:自己免疫性脳症を見きわめるための新しい神経診察の提案――

身体表現性障害との鑑別。

  1. Jefferson T, Jørgensen L. Human papillomavirus vaccines, complex regional pain syndrome, postural orthostatic tachycardia syndrome, and autonomic dysfunction – a review of the regulatory evidence from the European Medicines Agency. Indian J Med Ethics 2017;2(1):30–37.
  2. Takahashi Y, et al : Immunological studies of cerebrospinal fluid from patients with CNS symptoms after human papillomavirus vaccination. J Neuroimmunol. 2016 ; 298 : 71-8.

https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=7027

  1. Matsudaira T et al: Cognitive dysfunction and regional cerebral blood flow changes in Japanese females after human papillomavirus vaccination. Neurology and Clinical Neuroscience 4: 220–227, 2016
  2. Perricone C, et al: Role of environmental factors in autoimmunity: pearls from the 10th international Congress on autoimmunity, Leipzig, Germany 2016. Immunol Res (2016). doi:10.1007/s12026-016-8857-z
  3. Hendrickson JE, Tormey CA. Human papilloma virus vaccination and dysautonomia: consideration for autoantibody evaluation and HLA typing. Vaccine. 2016;34:4468.
  4. Palmieri B, et al: Severe somatoform and dysautonomic syndromes after HPV vaccination: case series and review of literature. Immunol Res. 2016. doi:10.1007/s12026-016-8820-z.
  5. Geier DA, Geier MR. Quadrivalent human papillomavirus vaccine and autoimmune adverse events: a case-control assessment of the vaccine adverse event reporting system (VAERS) database. Immunol Res. 2016. doi:10.1007/s12026-016-8815-9.
  6. Hotta O, et al: Involvement of chronic epipharyngitis in autoimmune (auto-inflammatory) syndrome induced by adjuvants (ASIA). Immunol Res 2016 doi:10.1007/s12026-016-8859-x
  7. Blitshteyn S, Brook J: Postural tachycardia syndrome (POTS) with anti-NMDA receptor antibodies after human papillomavirus vaccination. Immunol Res (2016) DOI 10.1007/s12026-016-8855-1
  8. Inbar R et al: Behavioral abnormalities in female mice following administration of aluminum adjuvants and the human papillomavirus (HPV) vaccine Gardasil. Immunol Res (2016). doi:10.1007/s12026-016-8826-6
  9. http://blog.with2.net/link.php/36571 ブログランキングに登録しています
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HPVワクチンに関するWHO最新報告の問題点


WHOの最新報告について、村中璃子氏が次のような記事を書いている。

国賠訴訟が起きたからって薬害じゃないことも――子宮頸がんワクチン国賠に思う(note)

引用開始: 今回のWHOの声明はこのように締めくくられた。 「2017年、GACVSはシステマティックレビュー(論文をくまなく検索すること)を行い、良質なコホートを用いた世界各国のランダム化比較試験(バイアスを排除した最も信頼性の高い研究)を対象とする73,697症例についての分析を行ったところ、すべての症状について子宮頸がんワクチンとの因果関係が認められないという結論を得た。しかし、科学的分析とは裏腹に、世界では症例観察に基づく誤った報告や根拠のない主張が注目を集めている。今後もモニタリングを続け、大規模データの解析を通じてワクチンへの信頼を維持していくことが大切だが、その過程で、科学的実体をもたないアーチファクト(二次的な事象)が観察されることがある。これこそが「挑戦」だ」(引用終了)

コメント:

RCTのエビデンスレベルの高い治験のみ検討し、症例観察研究はレベルが低いとして軽視している。HPVワクチンによる副反応疑いの発生頻度は低く、日本では約0.09%である。鹿児島大学神経内科髙嶋博教授の最新のデータでは鹿児島県におけるHPVワクチン接種後神経障害の頻度は、1/1500である。

過去に行われたRCTの問題点は3つだけ挙げてみる。

1.数百人~数千規模の小数例の検討ではシグナルの発見は困難であり、症例観察研究が重要である。このことはワクチンの副反応を判定するマニュアルにも記載されている。 2.RCTの治験計画では、placeboとして、inactive placeboである生理食塩水を使用している研究は非常に少ない(ある論文によると、HPV ワクチンの16件の治験のうち、生食を対照としたのは、2件のみであった)。ほとんどのplaceboでは、アルミニウムアジュバントを含んでいて、治験群と有意差が出にくくなっている。このことは、Cochrane Libraryでも問題を指摘しており、調査が実施される予定である。

3.現在の基準では多彩な症状を判定することはできない。単一症状で検討しているだけ。多数の症例観察研究が重要である。

参考文献:

1. CAUSALITY ASSESSMENT OF AN ADVERSE EVENT FOLLOWING IMMUNIZATION (AEFI) User manual for the revised WHO classification WHO/HIS/EMP/QSS. MARCH 2013

ワクチン接種後の有害事象の因果関係の評価。p3の最後の段落、有害事象とワクチン接種との因果関係が不明確でも無視しないことが重要。ある時点でシグナルとして考えられ、因果関係を検査する特異的な研究で両者のリンクに関する仮説を導くかもしれない。個別の症例データをプールすることは仮説を生み出すのに非常に有用である。ロタウイルス ワクチンと腸重積の症例が良い例。初期の臨床治験ではワクチンは有用で統計学的に有意な重篤な有害事象を検出しなかった。市販後に腸重積が出現した。

2. Ogawa Y et al. Safety of HPV vaccines in healthy young women: a meta-analysis of 24 controlled studies, J Pharmaceutical Health Care and Sciences 2017 3:18 https://doi.org/10.1186/s40780-017-0087-6

Table1参照。対象数4千人未満は20件と規模が小さい(100~500人未満は9件、500~1000人未満は4件、1000~2000人未満は5件、2000人~3000人未満は1件、3000人~4000人未満は1件、5000人以上は4件(5,762人、6004人、12,167人、18,644人)。

3. The Cochrane Library: Aluminum adjuvants used in vaccines versus placebo or no intervention

HPVワクチンなどに含有されているアルミニウムアジュバントの安全性と危険性の調査計画の公表

4.子宮頸がんワクチン副反応の救済状況 PMDA 平成29年9月まで 処理  562  支給 258 不支給 310内訳(入院外支給 123判定不能 153否認 23 年金の障害でない 4 政令で認める程でない 7) 支給合計は381人 厚労省に上げられた副反応報告は3080人

5.黒岩義之ほか:ヒトパピローマウイルスワクチン接種後の神経障害:その病態仮説 神経内科 85:567-581,2016

HANSという新規の疾患概念が形成された経緯と病態仮説が詳細に記載されている。日本自律神経学会理事長である黒岩義之先生の神経内科医としての診断能力の高さと慧眼には頭が下がる思いである。しかも、専門の自律神経系の薀蓄を駆使して、新しい病態仮説を提示している。しかも、最近では、その仮説を支持する研究成果も発表されている。彼のライフワークとなるであろう。

線維筋痛症との鑑別は? 「HPVワクチン接種後神経障害」の患者は静かで非攻撃的で、自分から多くを語らず、顔をしかめるなどの表情表現を表さないのに対して、線維筋痛症の患者は多弁的、攻撃的、易怒的で、全身で痛みを身体表現するところが大きく異なる。前者で高頻度にみられる「サングラス徴候」は後者では非常に稀である。

「HPVワクチン接種後神経障害」のプライマリーな病態は視床下部機能の障害であり、線維筋痛症のプライマリーな病態は疼痛・情動関連機能の障害と考えられる。

視床下部病変による症候学: 1.自律神経症候、2.内分泌症候、3.アレルギー症候、4.認知情動症候、5.意識障害 6.感覚症候、7.運動症候 「HPVワクチン接種後神経障害」は脳室周囲器官の障害から始まる。

解剖学的診断:視床下部・辺縁系ネットワークの神経内分泌攪乱

病因論的診断:HPVワクチン接種後に生じた血管内皮・血液脳関門の慢性障害 視床下部を首座に置く脳室周囲器官、別名「脳の窓」は4大ドメインである自律神経・内分泌・炎症系、運動神経系、感覚神経系、認知情動神経系と密接な神経ネットワークを構成している。

病態生理:

1.第三脳室周囲の脳室周囲器官、別名「脳の窓」における血管内皮細胞とグリア・センサー細胞ネットワークの障害、

2.視床下部・辺縁系ネットワークのシナプス・受容体機能障害 症候の流れ 4大ドメインからなる慢性進行性の神経内分泌攪乱症候 ワクチン接種から30日未満に発症ピークを示した自律神経症候、睡眠・内分泌・炎症症候)、情動症候、痛みは「脳の窓(脳室周囲器官)」に近い「視床下部」の障害によると解釈される。

ワクチン接種から30日以上、6カ月未満に発症ピークを示した認知症候、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・体性感覚症候は「脳の窓」から少し遠い「視床下部と辺縁系ネットワーク」の障害によると解釈される。

ワクチン接種から6カ月以上、1年未満に発症ピークを示した運動・ロコモーション症候は「脳の窓」からさらに遠い「視床下部と前頭側頭運動野のネットワーク」の障害によると解釈される。

脳室周囲器官の7つの一般的特徴

1. 脳脊髄液・血液関門の役割を果たし、脳脊髄圧のセンサー。

2.血液脳関門によって保護されていない。

3.血管が豊富な「神経血管単位」である。

4.化学受容器引金帯であり、血液を介して化学物質の暴露されている。

5.神経炎症の舞台である。モノアミン分泌細胞、自然免疫細胞(ミクログリアやマスト細胞)が豊富に存在する。

6.代謝性疾患の標的となる(例:Wernicke脳症)。

7.液性自己免疫疾患の標的となる(例:神経脊髄炎)。

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ヒトパピローマウイルスワクチン接種後神経障害:その病態仮説


黒岩義之先生の優れた総説である「ヒトパピローマウイルスワクチン接種後神経障害:その病態仮説」を紹介する。興味あるかたは、下記のリンクから、PDFを購入するか、amazonで購入してください。このブログは休眠状態であったが、今回のみ、例外的にオープンした。

http://www.kahyo.com/item/S201611-855

神経内科 第85巻第5号(2016年11月発行)

  • REVIEW

ヒトパピローマウイルスワクチン接種後の神経障害:その病態仮説

帝京大学附属溝口病院神経内科・脳卒中センター 黒岩義之ほか…567

線維筋痛症との鑑別は?

「HPVワクチン接種後神経障害」の患者は静かで非攻撃的で、自分から多くを語らず、顔をしかめるなどの表情表現を表さないのに対して、線維筋痛症の患者は多弁的、攻撃的、易怒的で、全身で痛みを身体表現するところが大きく異なる。前者で高頻度にみられる「サングラス徴候」は後者では非常に稀である。

「HPVワクチン接種後神経障害」のプライマリーな病態は視床下部機能の障害であり、線維筋痛症のプライマリーな病態は疼痛・情動関連機能の障害と考えられる。

視床下部病変による症候学

  1. 自律神経症候、2.内分泌症候、3.アレルギー症候、4.認知情動症候、5.意識障害
  2. 6.感覚症候、7.運動症候

「HPVワクチン接種後神経障害」は脳室周囲器官の障害から始まる。

解剖学的診断:視床下部・辺縁系ネットワークの神経内分泌攪乱

病因論的診断:HPVワクチン接種後に生じた血管内皮・血液脳関門の慢性障害

視床下部を首座に置く脳室周囲器官、別名「脳の窓」は4大ドメインである自律神経・内分泌・炎症系、運動神経系、感覚神経系、認知情動神経系と密接な神経ネットワークを構成している。

病態生理:1.第三脳室周囲の脳室周囲器官、別名「脳の窓」における血管内皮細胞とグリア・センサー細胞ネットワークの障害、2.視床下部・辺縁系ネットワークのシナプス・受容体機能障害

症候の流れ

4大ドメインからなる慢性進行性の神経内分泌攪乱症候

ワクチン接種から30日未満に発症ピークを示した自律神経症候、睡眠・内分泌・炎症症候)、情動症候、痛みは「脳の窓(脳室周囲器官)」に近い「視床下部」の障害によると解釈される。

ワクチン接種から30日以上、6カ月未満に発症ピークを示した認知症候、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・体性感覚症候は「脳の窓」から少し遠い「視床下部と辺縁系ネットワーク」の障害によると解釈される。

ワクチン接種から6カ月以上、1年未満に発症ピークを示した運動・ロコモーション症候は「脳の窓」からさらに遠い「視床下部と前頭側頭運動野のネットワーク」の障害によると解釈される。

脳室周囲器官の7つの一般的特徴

  1. 脳脊髄液・血液関門の役割を果たし、脳脊髄圧のセンサー。2.血液脳関門によって保護されていない。3.血管が豊富な「神経血管単位」である。4.化学受容器引金帯であり、血液を介して化学物質の暴露されている。5.神経炎症の舞台である。モノアミン分泌細胞、自然免疫細胞(ミクログリアやマスト細胞)が豊富に存在する。6.代謝性疾患の標的となる(例:Wernicke脳症)。7.液性自己免疫疾患の標的となる(例:視神経脊髄炎)。

PS: 脳室周囲器官の特徴については、初めて学びました。浅学菲才ですが、探究心だけは旺盛です。

http://www.saltscience.or.jp/general_research/2011/201137.pdf

脳室周囲器官における血管-グリアユニット

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000097691.pdf

参考資料2 日本医師会・日本医学会合同シンポジウム

HPV ワクチン関連神経免疫症候群(HANS)の病態と発症要因の解明について. 西岡久寿樹

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膵臓がんの早期診断マーカーが開発された!元相撲力士にお勧め!


膵臓がんの早期診断マーカーが開発された!元相撲力士にお勧め!

人間ドック健診認定医・専門医研修会2016年

 

「アミノインデックス技術の臨床応用~健康診断の近未来~」

「膵癌早期診断のための戦略」

前者がアミノインデックス技術の紹介で、後者が去年末からSRLで測定可能となったアミノインデックスがんリスクスクリーニング(AICS)の紹介であった。

この講演の翌日に、千代の富士(歴代の横綱の中で一番好きな力士であったが、早死にされ、非常に残念である)が膵臓がんでなくなったというタイムリーな講演内容であった。私の叔父が膵臓がんで亡くなり、去年は外来受け持ち患者が膵臓がんで亡くなったので、他人事ではない。

膵臓がんのサイズが1cm以内に発見される場合は5年生存率が80%、10~20mmでは50%であり、全体としては、5年生存率が6.8%と、他の癌と比較して著しく低い。

早期の膵臓がんは自覚症状がほとんどない。適切な検診システムが無いため、医療機関への受診はがんが進行(=症状が出現)してからの例がほとんどである(74.5%)。

膵臓がんを、早期に画像で見つけるのは、たやすいことではない。膵臓の特徴は、奥まった位置にある、他臓器や血管に接している。

2cm未満の膵臓がんで、膵臓がんマーカーであるCA19-9は46.8%では正常範囲である。

味の素株式会社が下記の技術を開発した。膵臓がんの早期発見に有用であるが、ランクCに入る被験者は、86人に1人が膵臓がんである確率であり、膵臓がんのリスクが11.6となる。

血中アミノ酸濃度バランスを指標とした膵臓がんの早期発見技術を開発

http://www.ajinomoto.com/jp/presscenter/press/detail/2014_10_07.html

Plasma Free Amino Acid Profiling of Five Types of Cancer Patients and Its Application for Early Detection

http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0024143

新規実施項目のお知らせ(SRL)

https://www.srl.info/srlinfo/srlnews/2015/pdf/2015-28.pdf

  • 男性 AICS(5種) ●女性 AICS(6種)

「アミノインデックス技術」を用いたがんリスクスクリーニング検査に、新たな解析対象として「膵臓がん」を追加いたしました。

健常者における血液中のアミノ酸濃度は、それぞれ、一定に保たれるようにコントロールされていますが、がん患者では一定に保たれている血液中のアミノ酸濃度のバランスが変化することが報告されています。

AICS®(エーアイシーエス)は、血液中のアミノ酸濃度を測定し、健常人とがん患者のアミノ酸濃度のバランスの違いを統計的に解析することで、現在がんに罹患しているリスクを評価する検査です。

このたび、新たな解析対象に早期発見が課題とされる「膵臓がん」を加え、より広いがん種を一度に検査できるようになりました。

  • 各AICS®の解析対象となるがん種

男性AICS(5種):胃がん、肺がん、大腸がん、膵臓がん、前立腺がん

女性AICS(6種):胃がん、肺がん、大腸がん、膵

この検査だけで、24000~25000円もするので非常に高いが、下記のリスクを有する対象者にはお勧めである。とくに中年以降の元相撲力士は今後、必須の検査項目になるであろう。

A Novel Multivariate Index for Pancreatic Cancer Detection Based On the Plasma Free Amino Acid Profile

http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0132223

膵臓がんの危険因子

http://www.jsge.or.jp/citizen/2010/kyusyu.html

2.生活習慣と膵がん

A.膵がん発症と環境要因

1)家族歴

膵がんの家族歴がある率は4.8%、家族内発がんは6.0%。

遺伝性膵炎、家族性大腸腺腫ポリポージスなど(遺伝性膵がん症候群)。

2)喫煙

日本では約11万人を対象とし、平均8.1年追跡調査をした研究(The JACC Study)で、非喫煙者と比較して喫煙者の膵がん発症の相対危険度は男性で1.6倍、女性で1.7倍。膵がんでは禁煙により膵がんの発症危険率が低下。膵がんの発症危険率が男性では禁煙後1~9年、10~19年、20年以上でそれぞれ、1.41、0.85、0.84であり、10年以上禁煙すれば危険率は低下。

3)飲酒

酒を飲むと顔が赤くなりやすい人が、日常的に飲酒しながら喫煙すると、膵がんの発症相対危険度が、酒は飲むが非喫煙者の約10倍になる。アルコールを体内で分解する能力は主に、ALDH2というアルコールを分解する酵素の型で決まります。膵がんが発症した104人の調査で、酒は飲めるが分解する力が弱い型の人が55人もいました。また、その55人のうち日常的に飲酒しながら喫煙していた人は19人でした。つまり、酒は弱いが飲酒習慣があり喫煙する人は、膵がんの危険度は10倍でした。一方、酒に強い酵素を持つ人でも、飲酒と喫煙両方の習慣があると危険度は3倍でした。

4)コーヒー

日本でのThe JACC Studyでは、1日3杯未満のコーヒーは膵がん発症危険度を低下させる傾向を認めています。コーヒー飲用者は喫煙者が多く、喫煙が膵がんリスクを増加させるため、見かけ上コーヒーが膵がんリスクを増加させるという誤った関連を観察してしまうため、喫煙者と非喫煙者に分けても検討されていますが同様の結果でした。しかし、1日4杯以上コーヒーを飲む人では膵がん死亡リスクが増加し、特に男性では危険度が3.2倍と報告されています。

5)肥満・運動

肥満は膵がんの発症危険率を増加させると報告されています。その機序は、膵がんのリスクファクターである糖尿病の基礎病態である耐糖能障害や高インスリン血症と関連すること、肥満者では脂質過酸化による膵でのDNA損傷が増加することが挙げられています。日本での研究では、青年期の男性でBody mass index (BMI*:肥満指数)が30以上の肥満では、肥満が無い男性に比べ危険率が3.5 倍増加しており、青年期の肥満は日本人の男性での膵がん死亡リスクに強く関連しています。一方、女性ではBMIが高い群は正常群に比べ60%危険率が増加すると報告されています。欧米の報告では、BMI 30以上と25以下と膵がん発症危険率を比較検討すると、前者で1.81倍増加したとの報告があります。

*BMIの算出方法 BMI = 体重[kg] ÷ 身長[m] ÷ 身長[m]

6)食事  生活習慣の中で食事要因と膵がん発症リスクの関連は強いと考えられていますが、疫学的調査の結果は一致せず、食事の影響は不明です。しかし、肉類(特に薫製、加工肉)・脂肪の過剰摂取はリスクを上昇させ、野菜・果物(ビタミンC・食物繊維)の摂取は低下させ、予防的に働くと考えられています。その他、コレステロールの過剰摂取は膵がん発症リスクを増加させると報告されています。

B.膵がん発症と疾患要因

慢性膵炎、糖尿病、膵嚢胞性腫瘍、遺伝性膵炎を合併する人には膵がんの発生が多いと報告されています。また、ヘリコバクターピロリ感染でもリスクの増加が報告されています。ここでは、膵がん患者の既往症で頻度が高い糖尿病と慢性膵炎に注目します。

1)糖尿病

糖尿病の経過観察中に血糖コントロール不良になった症例や高齢で初めて糖尿病を発症した人には膵がんが含まれることは良く知られています。また、膵がんでは糖尿病が高頻度に発症します。膵がんの既往歴では糖尿病が25.9%と高頻度であり、糖尿病歴を有する男性では膵がんの相対発症リスクが2.1倍、女性では1.5倍であったと報告されています。また、米国では膵がんの糖尿病合併率が60~80%と報告されています。さらに、多くの報告で糖尿病が膵がん発症リスクを約2倍増加させることが示されています。一方、糖尿病罹患期間と発症リスクを検討した報告では、10年以上の糖尿病歴がある人は膵がんの発症リスクが50%増加しますが、膵がん発症の前1年以内の糖尿病発症も30%認められています。このことは、糖尿病は膵がんの合併症でもありますが、膵がんの危険因子であることを明確にしています。

2)慢性膵炎

厚生労働省難治性膵疾患調査班で施行された慢性膵炎患者の予後および死因に関する調査において、慢性膵炎患者の死因の43.1%ががんであり、その中で最も多いのが膵がんの21.7%でした。慢性膵炎患者の標準化死亡比(SMR)は1.56、悪性新生物によるSMRは2.01と一般集団よりも有意に高率でした。特に膵がんによるSMRは最も高率で7.33であった(表1)。男性が8.07、女性が4.36であり、男性で高率であった。これより、慢性膵炎患者の膵がんによる死亡比は期待値の7倍程度と考えられ、慢性膵炎は膵がん発症リスクが最も高い疾患といえる。ただし、慢性膵炎の成因はアルコール性が多く、さらに喫煙の生活習慣の患者が多いこと、また膵性糖尿病の合併という疾患要因も加わっており、慢性膵炎患者の膵がん発症リスクが高率であると考えられる。

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誤診の背景要因について-2014 年度 基本的臨床能力評価試験


誤診の背景要因について-2014 年度 基本的臨床能力評価試験

誤診(診断エラー、診断遅延とも呼ばれる)に関する背景要因の文献を検索していると、現在の医学生では、臨床推論の分野で、その教育が行われていることが判明した。2014年度基本的臨床能力評価試験の解説がインターネット上で公開されている。誤診を来す要因として、無過失エラー、システムエラー、認知エラーがあり。どのエラーが多いのかが試験問題として出ている。バイアスについての設問もあり、大学を離れて、15年もたつと、知らないことが多い。

http://jamep.or.jp/wp-content/uploads/2015/02/2014_kaisetsuf.pdf

2014 年度 基本的臨床能力評価試験

解 説

特定非営利活動法人 日本医療教育プログラム推進機構

「症候学・臨床推論」

【問題81】

診断ミスとは誤診や診断の遅れにつながる診断プロセスの過ちのことである。最近の臨床研究によると、診断ミスが起こっている割合はどれぐらいと言われているか。

(1) 2-5%

(2) 10-20%

(3) 20-30%

(4) 30%以上

正解 (2)

【解説】

診断エラーの頻度

診断エラーの多くは患者への有害事象には至っていないが、これまでの調査によると、約

10~15%の頻度で診断エラーがおきている。これらの調査は欧米の調査であるが、日本でも同様な(あるいはさらに高頻度な)状況であると考えられている。

【問題82】

認知エラーとは、医師が考え、診断や治療方針を決めるときに起こるエラーである。認知エラーとシステムエラーについて正しいものはどれか。

(1) システムエラーは認知エラーよりも少なくとも2 倍は多い

(2) システムエラーと認知エラーは同じ程度の頻度である

(3) 認知エラーはシステムエラーよりも少なくとも2 倍は多い

正解 (2)

【解説】

システムエラーと認知エラーの相対的頻度

全ての医療関連エラーのうち、システムエラーと認知エラーの相対的な頻度は約半々程度である。以前の医療安全学の分野ではシステムエラーを対象とした研究と対策が中心に行われていた。しかしながら、医師の認知エラーの重要性が最近10 年で注目されるようになり、国際学会なども設立されている(Society to Improve Diagnosis in Medicine)。

【問題83】

高血圧症、脂質異常症、肥満、糖尿病の併存症がある70 才女性が寝汗、発熱、重度疲労感、全身の脱力と筋硬直(特に左肩)を訴え、リウマチ専門医を受診した。血沈一時間値は60 mm であった。リウマチ専門医はリウマチ性多発筋痛症と診断し、一日15 mg のプレドニゾロンを処方した。その後2 週間で症状はほとんど改善せず、さらに息切れも訴え、入院となった。診察上、両肺底にcrackles、そしてIII/VI の収縮期雑音が認められた。血液培養より黄色ブドウ球菌が検出され、心エコーで僧房弁に疣贅が認められた。この初期の診断の見逃しに、最も寄与したものはどれか。

(1) かかりつけ医が間違えた専門の医師に紹介してしまったため

(2) リウマチ医が初期診断において、反証となる症候を探さなかったため

(3) 初期診断時、血液培養が陰性で、心雑音がなく、心内膜炎の診断基準をみたさなかったため

(4) 初期症状が出る6 週間前に歯医者に通っていたことを、この患者が医師に話さなかったため

正解 (2)

【解説】

アベイラビリティーバイアス(Availability Bias)

リウマチ医は、普段よく見るPMR を直ちに想起した。これはアベイラビリティーバイアスである。PMR の診断のときには、PMR の重要な鑑別診断である心内膜炎などの可能性も考えるべきであり、心雑音や末梢サインなどの所見を探すべきであった。

【問題84】

60 歳男性が胸痛で救急室に来院。この男性は非喫煙者で、毎日30 分の運動をしても運動中の胸痛や息切れなどはなかった。悪心、嘔吐、発汗、息切れはなかった。血圧110/60 mmHg、脈拍60 回/分で、心臓と肺の身体所見も異常なしで、心筋逸脱酵素、胸部単純X 線写真、心電図も異常なしであった。医師は、この胸痛は運動に起因する筋肉痛によるものであろうと患者に伝え、帰宅させた。翌朝、この患者は急性心筋梗塞で救急室に運ばれてきた。

この診断の見逃しに、最も寄与したものはどれか。

(1) 急性心筋梗塞は健康な人にも起こりうるので、時には見過ごされることがあるため

(2) 検査室で行われた心筋逸脱酵素分析機器の管理が徹底していなかったため

(3) この患者をみた医師が冠動脈疾患の検査前確率を考えなかったため

(4) この患者の症状はコモンディジーズの非典型症状だったため

正解 (3)

【解説】

ベースレート・ネグレクト(Base-Rate Neglect)

心筋梗塞は頻度の多い疾患であり、検査前確率(ベースレート)が高い。来院時初回の検査が陰性であっても否定できない。検査前確率(ベースレート)を無視してはならない。

【問題85】

糖尿病と病的肥満(200 kg)の併存症がある45 歳の女性が腹部全体に及ぶ腹痛と発熱を訴え、入院となった。血圧140/90 mmHg、脈拍90 回/分、呼吸数16 回/分、体温38.2 °C。腹部皮膚に紅斑性発疹が見られ、腹部全体に圧痛が認められた。WBC 14,000 /μL で、その他の検査結果は正常であった。この患者は蜂窩織炎とカンジダ症の診断と治療を受けた。入院3 日目に腹痛が悪化し、WBC は20,000 /μL に増加した。手術室に搬送され、試験開腹術を受けた結果、穿孔性憩室炎が見つかった。この診断の見逃しに、最も寄与したものはどれか。

(1) カンジダ症と蜂窩織炎の見分けが困難であるため

(2) 憩室疾患の既往歴がなかったため

(3) この患者の体型が鑑別診断に影響したため

(4) 入院時に血清乳酸値が調べられなかったため

正解 (3)

【解説】

情動バイアス(Affective Bias)

高度肥満の患者に対する不十分な診察による診断エラーは情動バイアスが関連しているといわれている。一般的に、アルコール依存症、精神疾患、薬物中毒などの患者の診断では情動バイアスで診察が不十分となることが知られている。

【問題86】

40 歳女性が、いつもの偏頭痛とは違う痛みの前頭部痛を訴え、救急に来院。MRI とMRA の結果、2 つの小さな動脈瘤が見つかり、脳神経外科病棟に入院し、開頭による動脈瘤クリップ手術が施行された。しかし術後、頭痛はむしろ増悪し、会話困難となるほど痛がった。その後、この患者は偏頭痛のため最近数週間、大量のアセトアミノフェンとイブプロフェンを服用していたことが判明した。鎮痛剤長期大量使用に伴う反跳性頭痛と診断され、薬の漸減によって症状が改善した。

次の選択肢のうち、手術を施行するという決断に最も影響したものはどれか。

(1) 神経内科ではなく、脳神経外科にこの患者を入院させた救命救急医の判断

(2) 間違えた画像診断方法を使用したこと(血管造影法のほうがMRI よりも動脈瘤の大きさを正確に評価できる)

(3) 頭痛を完治させるための治療をしたいという医師の熱意

(4) 患者とその家族からの動脈瘤を治してほしいという圧力を医師が感じたこと

正解 (3)

【解説】

行為バイアス(Commission Bias)

手術という行為で、頭痛を早く治療してあげたいという思いが強かったものであり、行為バイアスのケースである。はやく治癒させたいという欲求の強い医師や患者の思いが、このバイアスを生じさせる。

【問題87】

50 歳女性が胸痛、息切れ、倦怠感を訴え、混雑した救急外来に来院し、胸部単純X 線検査を受けた。放射線科医は右下肺野に肺炎を確認したが、第三肋骨における骨病変を見逃した。この患者は抗菌薬を処方され帰宅し、かかりつけ医に行くように勧められた。数ヵ月後、この患者に転移性乳癌が見つかった。次のうち、このミスについて正しく説明しているものはどれか。

(1) この放射線科医は時間的制約と過労があり、これらがエラーにつながった(人為的エラー)

(2) かかりつけ医にかかるように救急医がきちんとコーディネートすべきだった(システムエラー)

(3) 救急医は病歴聴取と診察時に適切なReview of Systems を行わなかった(診断エラー)

(4) 誰の過失でもない(骨病変は胸部単純X 線写真ではある一定の確率で発見困難であり、防ぐことのできないエラーである)

正解 (1)

【解説】

ヒューマンファクターによるエラー

多忙な救急現場ではヒューマンファクターによるエラーが起こりやすい。放射線科専門医などのエキスパートであっても、このような時間的プレッシャーがあると、救急現場での読影ミスの原因となる。

【問題88】

糖尿病の併存がある58 歳女性が、息切れと上気道炎症状を訴え、救急外来に来院した。トリアージナースがバイタルサインをとり、医師に「またインフルエンザの患者が来ました」と伝えた。この患者は毎日たくさんの水を飲み、症状を改善するためにアスピリンを服用していると医師に言った。身体所見上、低酸素状態ではなく、肺には異常はなかったが、過換気状態(呼吸数30回/分)であった。検査所見は、重炭酸塩(HCO3-)が18 mEq/L ということ以外は異常なし。この患者はウイルス性肺炎と推測され、内科病棟に入院した。この後、この患者はアスピリン中毒であることが判明。診断ミスをした最も大きな原因として考えられるものは次のうちどれか。

(1) 救急で測定された血清重炭酸イオン値は不正確であることが多く、医師はこの値が不正確であると仮定したため

(2) サリチル酸塩中毒についての十分な知識がこの医師にはなかったため

(3) 一般的な症候群の診断名を付けるために、この季節によく見られる病気を自身の経験を基に診断したため

(4) サリチル酸塩中毒とウイルス性肺炎は症状が似ており、しばしば起こる診断ミスは避けられないため

正解 (3)

【解説】

アベイラビリティーバイアス(Availability Bias)

流行期でよく見るコモンなインフルエンザなどの病気をただちに想起したケースであり、これもアベイラビリティーバイアスとよばれる。ナースのアセスメントエラーも関連している(これはオーバーコンフィデンスバイアスOverconfidence Bias とよばれる)。

【問題89】

痛風の既往歴がある74 歳男性が発熱と膝関節腫脹を主訴に入院した。関節穿刺の結果、滑液中に尿酸結晶とグラム陽性双球菌が認められた。抗菌薬の静脈内投与が開始された。この後、患者の誤嚥が目撃され、呼吸停止になり気管内挿管され、内科ICU に移された。内科ICU の医療チームはリウマチ専門医に再度、関節穿刺を依頼した。前回の滑液からは未だにどの菌も培養で陽性ではなかった。このリウマチ専門医とフェローはナースステーションにある患者のカルテを見直し、関節穿刺のために患者の部屋へ向かったが、間違えた部屋に入り、違う患者の関節に穿刺をしてしまった。

以下のうち、どのタイプのエラーが起こったか。

(1) 二度目の関節穿刺は必要ではなかった。一度目の滑液の最終的な培養結果が出ていないうちに再度穿刺してしまったからである(判断エラー)

(2) 検査技師がグラム染色結果を間違えて解釈してしまった(技術的エラー)

(3) この患者の引き継ぎをしたフェローは、この患者がどの部屋にいるのか正確に伝えなければならなかった(引継エラー)

(4) 関節穿刺をする前に患者確認を怠った(システムエラー)

(5) このリウマチ専門医とフェローは一度目の関節穿刺のマークを探すために関節を診察しなかった(手技エラー)

正解 (4)

【解説】

システムエラー(Systems Error)

手技を行う前に、一度みなで確認作業を行う(タイムアウトtime-out という)を施行しなかったためと考えられる。患者取り違えなどを防ぐために、手術や手技の施行前にはかならず、タイムアウトした確認作業を行うべきである。

【問題90】

金曜日で違う科に移るレジデントが、患者の引き継ぎのため、新しく交代するレジデントに電話をした。患者の名前はジョーンズさん、脳梗塞の既往歴がある75 歳女性。この患者は今週の始めに精神錯乱のため入院。入院時、せん妄、発熱、腹痛が見られ、尿検査ではほとんど菌は見られなかったが、各視野20~50(高倍率)の白血球が認められた。患者の意識障害は尿路感染によるものであり、土曜日までに熱がなかったら退院の予定だと伝えた。患者は土曜日まで熱はなかったが、意識障害は遷延していた。患者の家族には尿路感染は完治したと伝えられ、患者は退院したが、一週間後、意識障害が悪化したため患者は再び家族に連れられ救急外来を受診した。腰椎穿刺の結果、脳炎の診断となった。この診断の遅れに、最も寄与したものはどれか

(1) 最初に患者を見たレジデントチームは、感染尿と汚染尿の違いがわからなかったため

(2) このレジデントの引き継ぎの書類には、少数の菌しかいなかったという尿検査の結果が記載されていなかったため

(3) この患者の引き継ぎをしたレジデントは、その他の考えられる診断名と治療法を次のレジデントに伝えなかったため

(4) 引き継いだレジデントは、最初のレジデントから聞いた患者症状と一致しない実際の症状より、適切な診断と治療を見出すことができなかったため

正解 (4)

【解説】

アンカーリングバイアス(Anchoring Bias)

患者を引き継いだ入院担当チームは、救急室で患者を担当したメンバーの診断を信じて、意識障害を来す他の疾患の可能性を考えず適切なワークアップを行わなかった。アンカーリングバイアスのケースである。

【問題91】

迅速かつ効率的で正確な診断を下すことのできることが多い診断技術は、次のうち何と呼ばれて

いるか。

(1) 臨床予測ルール

(2) ベイズ解析

(3) アンカーリング

(4) ヒューリスティックス

正解 (4)

【解説】

ヒューリスティックス(Heuristics)

迅速、効率的でかつ正確な判断ができる判断ルールをヒューリスティックスという。

これらのうち、汎用的で重要なものをクリニカル・パールという。

【問題92】

診断の見逃しにおいて、一般的な理由は次のうちどれか。(2005 年に発表されたGraber による診断エラーについての論文)

(1) 簡単に思い出せ、最近見た診断を、よりふさわしいと考えるから

(2) めずらしい診断を追い求め、「コモンディジーズ」を忘れてしまうから

(3) 典型的な症状に固執し、非定型的な症状を見過ごしてしまうから

(4) 適切なタイミングで最適な専門医の助言を求めることに失敗するから

(5) 適切な検査がすべて完了する前に診断を下してしまうから

正解 (5)

【解説】

早期閉鎖(Premature Closure)

診断エラーで最も多い理由は、診断の早期閉鎖である。これは、さまざまなバイアスによって推論が不正確となり、適切な診断ワークアップを行わずに早期に誤った診断を下してしまうことである。

【問題93】

分析的診断法ではなく、直観的診断法を用いることと、関係がないのは次のうちどれか。

(1) 初学者(医学生など)

(2) 疲労

(3) 時間的制約

(4) 臨床における熟錬

(5) 感情的な状態

正解 (1)

【解説】

二重プロセスモデル(Dual Process Model)

直観的アプローチは、エキスパートが迅速で正確な診断を行うときに利用する方法ではああるが、非エキスパートが過疲労状態や感情的状態、時間的プレッシャーに襲われたときに用いると、認知バイアスに陥りエラーの原因ともなる。一方、分析的アプローチは、初心者が用いる方法であり、時間がかかる。

参考文献:

  1. https://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02965_02

直感的診断の可能性

DEM International Conferenceに参加して

2. http://www.jround.co.uk/error/reading/crosskerry1.pdfhttp://scholar.google.co.jp/scholar?  The importance of cognitive errors in diagnosis and strategies to minimize them

hl=ja&q=The+importance+of+cognitive+errors+in+diagnosis+and+strategies+to+minimize+them.&btnG=&lr=

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末梢性ニューロパチーの臨床的アプローチ


末梢性ニューロパチーの臨床的アプローチのキーポイントが下記の文献にまとめられているので紹介する。

  1. 末梢神経系は大径有髄運動性軸索と固有感覚, 振動覚, 軽い触覚を伝播する感覚性軸索と軽い触覚, 痛覚, 温度覚, 節前自律神経機能を伝播する小径有髄軸索と痛覚,温度覚,節後自律神経機能を伝播する小径無髄軸索より構成される。
  2. ニューロパチーの症状は運動性, 感覚性, 自律神経性でありうる。日常生活活動の障害に関する質問は情報を与える。

3.病歴は病気の進展の時間軸, 社会歴, 家族歴, 医療歴(ニューロパチーと関連する基礎疾患を含む), 外科系病歴, 神経毒性処方のreviewを含むべきである。

4.小趾の屈曲伸展の低下と母趾の伸展の低下は運動機能障害の早期の徴候となりうる。

  1. 感覚検査は末梢神経系解剖学と病気のパターン型の知識を持ってアプローチすべきである。

6.ATR(アキレス腱反射)の低下や消失は神経長依存性ニューロパチーではよくみられるが, 小径線維ニューロパチーでは,ATRは正常である。

  1. 歩行検査は徒手筋力検査では同定できない筋力低下を明らかにする。踵, つま先, 継足歩行, スクワット, ホップをさせてみる。
  2. ニューロパチーの特性評価は時間的プロファイル(発症の速度や期間), 遺伝, 解剖学的分類を含む。解剖学的分類は(1)線維型(運動性vs感覚性, 大径vs小径, 体性vs自律神経性),(2)障害される線維の部分(軸索vs髄鞘),(3)障害される神経の大まかな分布(例:神経長依存性,非依存性,多巣性)を含む。
  3. ニューロパチーの特性評価は臨床医が多くの中毒性, 遺伝性, 後天性疾患の鑑別に必要な検査を最小限にするのに役立つ。

10.大部分のニューロパチーは潜行性発症で慢性進行性である;1か月前後の急性発症はギラン・バレー症候群(GBS), 血管炎, ポルフィリア, 感染性原因 (例: ジフテリア, ライム病), 中毒性/薬物暴露 (例: 砒素, タリウム, 化学療法剤, ダプソン)を示唆する。

  1. ニューロパチーの家族歴, 感覚系症状陽性の欠如, 早期発症, 対称性, 骨格系異常の合併, 非常に緩徐進行性経過を有する患者では, ニューロパチーの遺伝性原因を考慮すべきである。
  2. 著明な自律神経性ニューロパチーは糖尿病, アミロイド―シス,GBSを示唆する。
  3. 脱髄性ニューロパチーを示唆する特徴は萎縮のない脱力, 近位部優位の神経長に依存しない分布, 臨床的または電気生理学的に非対称性/斑状の分布, 近位部の反射の障害, ミオキミアを含んでいる。
  4. 大部分のニューロパチーは対称性で神経長に依存し, 通常は代謝性, 特発性, 遺伝性, 中毒性状態に起因する。下肢の症状が膝まで上行すると, 手の症状が始まる。
  5. 著明な早期の近位部の障害, とくに臀部屈筋の脱力を呈するニューロパチーは, 脱髄性ニューロパチーの可能性をもたらす。近位部と遠位部の脱力が合併することは慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー(CIDP)の特徴である。
  6. ニューロパチーの成因に対する血液検査は空腹時血糖, 腎や肝機能を評価するための電解質, CBCと分画, ビタミンB12, 赤沈, TSH, 甲状腺機能検査, 血清免疫固定電気泳動を含むべきである。
  7. 遺伝検査は臨床症状, 遺伝パターン, 電気的診断分類に合わせると, 最も有効である。
  8. 電気的診断検査は末梢神経系障害の部位, 障害される神経の集団(運動性vs 大径線維感覚性), 重篤度, 障害部位, 障害神経の部分(軸索vs髄鞘), 慢性化, 再生状態を決定するのに有用である。
  9. 軸索性ニューロパチーでの神経伝導所見は, 感覚神経活動電位(sensory nerve action potential: SNAP)と複合筋活動電位(compound muscle action potential: CMAP)振幅の減弱を含む。脱髄性ニューロパチーでの所見は伝導速度の遅延, 遠位潜時 (distal latency) の延長, 伝導ブロック, 時間的分散 (temporal dispersion), 遠位CMAP持続時間の9msec以上の延長, F波最小潜時の著明な延長, F波が持続しない(impersistence),潜時のばらつき(chronodispersion), 欠如を含む。非対称性, 腓腹神経の回避, 同一神経での運動, 感覚機能の解離は後天性の脱髄性ニューロパチーの可能性または多発性単ニューロパチーを示唆している。
  10. 均一な脱髄性の特徴は, 後天性ニューロパチーよりも遺伝性ニューロパチーに関連していることがより一般的である。後天性のものでは伝導ブロックや時間的分散が通常見られる。
  11. 磁気刺激とsomatosensory-evoked potentials (SSEP) は, 神経根, 神経叢, 近位部の神経(例:大腿神経)の脱髄を同定するのに役立つ。
  12. 量的感覚検査は小径, 大径線維ニューロパチーの両者を同定するのに有用であるが, 患者の協力に依存して時間がかかり, 真に客観的ではなく, 機能障害を局在化することができない。
  13. 交感神経性汗腺神経検査は交感神経性皮膚反応 (sympathetic skin response: SSR), 量的汗腺神経軸索反射検査, 体温調節発汗検査を含む。心血管系評価は,深呼吸時のR-R間隔,バルサルバ法, 起立とtiltに対する血圧反応を含む。
  14. 小径線維ニューロパチーでは,発汗神経検査は心臓迷走神経検査より感度が高い。
  15. 十分な臨床的, 電気生理学的, 臨床検査評価以前には, 神経生検評価を施行すべきではない。

26.神経生検の威力は急性/亜急性,非対称性,多巣性,進行性ニューロパチーにおいて最良となる。

27.AAN practice parametersは,血管炎,サルコイドーシス,CIDPなどの炎症性疾患や

ハンセン病などの感染性疾患や腫瘍,アミロイド―シスなどの浸潤性疾患の診断における神経生検を推奨している。

28.神経生検はまた原因不明のびまん性ニューロパチーで推奨されているが,中毒性,代謝性状態に伴う遠位性,対称性,軸索性ニューロパチーにおいては有益であることはまれである。

  1. 皮膚生検は小径ニューロパチーの現在最も利用できる検査である。表皮内神経線維密度と神経線維形態が評価される。最も一般的な生検部位は腓腹筋遠位部と近位部外側大腿である。
  2. 汗腺神経線維密度の分析は, 自律神経と体性神経それぞれを評価するので, 小径線維の評価における表皮内神経線維密度に補完的となる。
  3. 皮膚生検は神経長依存性, 非依存性ニューロパチーを鑑別するのに役立つ。神経長依存性ニューロパチーでは, 近位部の表皮内神経線維密度(intraepidermal nerve fiber density: IENFD) は比較的に保たれているが, 一方,神経長非依存性ニューロパチーでは,近位部のIENFDは遠位部のIENFDよりも同等かまたはより障害されている。神経根症ではIENFDは正常である。
  4. 小径線維を研究するために推奨される最新の2つの技術は, 角膜の共焦点顕微鏡検査とlaser Doppler imager flareである。それに加えて, マイスナー小体密度 (in vivo の反射共焦点顕微鏡検査を利用する)と皮膚のしわの評価が開発の初期段階である。

文献

  1. Alport AR et al: Clinical approach to peripheral neuropathy: Anatomic localization and diagnostic testing. Continuum Lifelong Learning Neurol 18:13–38, 2012

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